君と共に(リク)
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さざ波の音が優しく響く。
風が舞う。
白い白い砂の上で
リンと二人、抱きしめ合う"今"この瞬間に
時間を止めてしまえたら
いらない。
リンがいない未来ならいらない。
永遠にここに閉じ込めてしまえばいい。
ここに
この海に
「リン……
一緒に……この海に沈んでしまうか……」
『え……』
私の言葉に、リンは丸い瞳を見開き、その顔からは笑みが消えた。
「一緒に……死ぬか……」
―――自分の口から
まさかこんな言葉を言う日が来るなんて
使命も
仲間も
世界も
私達を育んで来た運命も全て捨てて……
お前しか、いらない。
「世界中の全ての人々が例え滅んだとしても、私にはお前だけいればいい」
『クラピカ……』
リンの目から涙が溢れ出す。
わかっているんだ。
できるはずない。
……泣くな。
そっと指で涙を掬い取る。
『いいよ……』
弱々しく、リンが呟いた。
『一緒に死ぬ。私はクラピカとなら死ねる。
だって二人でいれるなら恐いものなんて一個もないもん』
「リン……」
私だってそうだ。
生きるも死ぬも、お前と共にあるならば
それだけでいい。
だが………
『この子……産んだ後なら、一緒に死ぬ』
―――そうだな。
『ちゃんと、この子にこの世界を見せてあげる。
そんで、生きるか死ぬかくらいは自分で選ばせてあげたいの』
―――同感だ。
『だから……この子を産んだ後に』
「もしお前が死んだら、私も死んでいいか?」
最後を待たずして、私はその言葉を紡いだ。
『………うん、いいよ……!』
リンは顔をクシャクシャにして泣いた。
泣いて私にしがみつくように抱きついた。
『ごめっ……ごめんね、クラピカ……!!ごめんね!!』
リンは何度も何度も謝った。
……いいんだ。
もう大丈夫だ。
私の方こそ、いつも泣かせてすまない。
大丈夫。
例えばもうすぐ訪れる未来が、私達にとってどんなに残酷なものであったとしても
私はもう大丈夫だ。
お前が死んだら
私も死ぬ
それをお前が許してくれた
それだけできっと、私はいつも逃げ道を作りながら生きていけるんだ。
お前のいる場所が
すぐ傍らで待っていてくれているのだと
いつでもそこへ行けるのだと
そう思いながらこの子が独りで生きていける日が来るまで
私は生きていけるんだ。
「愛してる」
死が二人を分かとうとも、
それは永遠に変わらない――――
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