師匠目線の過去話
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自分の温かい血の海に浸かりながら、最後にリンの声を聞いた気がした。
それは多分、記憶の中のいつもの声で
『師匠!』───と…
それが俺の人生の最期だった。
34年間…
短い人生なのかも知れないが、俺はこの上なく満足していた。
馬鹿で悪い事が好きで
ネテロじいには何も恩返しできなかったが…
俺の人生を完璧に彩ったもの───
それはやっぱり、あの笑顔だった。
リンが俺の全てだった。
アホな奴らにイジメられて育って
孤児院出てからは悪い奴と悪い事ばっかして
平気で人も殺しまくってたこんな俺が
唯一誇れるもの
宝
リン。
心の奥底から本当に本当に感謝している。
お前の事だけがいつまでも心残りだ。
心配だ。
早く守ってくれる奴に出会えよ。
幸せになるんだぞ。
沢山の人間と出会って、人を愛して、生まれた事に感謝して
皆に愛されて
一瞬も無駄にせず、充実した毎日を過ごせ。
体を大切にしろ。
思いきり泣いて笑って怒って伝えろ。
いつかは家族も持って
子を産んで
人と寄り添いながら生きろ。
そして最期は
こんな風に誰かに恨まれて殺されたりなんかするな。
温かいベットの上で、
愛する者たちに囲まれて
生まれてきて本当によかったと
幸せだったと
そんな風に、安らかに眠りにつくんだ。
そういう人生に
お前なら、きっとなる。
さあ、行けよ。
未来に向かって、
とびきりの笑顔を武器にして
生きるんだ!
きっとまた地獄か天国で
思い出話でもするその時まで───────
end.