ラタルの恋物語2
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ダリアは号泣してしまい、返事の声すら紡げない。
「嫌……か?」
不安げなラタルの問い掛けに力一杯首を振る。
そしてラタルの肩にしがみつき、顔を埋めた。
不意打ちな彼女の行動に思わず心臓を跳ねさせるラタル。
「びっくりした。ダリアからなんて初めてだな」
嬉しそうにそう言うと、ラタルは再びその体を抱きしめた。
背、伸びたね
逞しくなったね
髪も伸びた
……もっとかっこよくなっちゃった
どれも心の中で思うだけで、声にならない
ただ今だけはこうして彼の温もりの中にいたい
ラタルはダリアの涙を指で拭い、その頬に両手を添えた。
「"ダリアに上からキスをする"
……夢が叶ったな」
新月の暗い夜。
満天の星たちが見守る中、二人は唇を重ねた。
会えなかった七ヶ月の間に、ラタルはダリアの背を追い越していた。
暫くしてやっと落ち着いたダリア。
涙も止まり、ラタルと手を繋いで校庭を散歩する。
「そういえばこんな時間に家を出る事、怒られなかったか?」
ラタルが心配そうに尋ねると、ダリアは気まずい笑顔で答えた。
「実は……嘘ついて出てきちゃった。
友達のとこに忘れ物取りに行くって」
「おい…親に嘘をつくな。まぁ彼氏に会いになんて言えるわけないか」
「うん。ていうかね、そういえば最近、新しい友達ができたの!」
「そうか。よかったな。
どんな友達?」
「よくうちの店に来てくれる同じ歳の女の子!
可愛くて明るくて元気で、すっごく面白いリンちゃん!」
「………………」
………リン……ちゃん?
いや、待て。
同じ名前の別人だろう。
同じ歳って言ってるし……
「……ちなみに外見の特徴は?」
「??んー、髪は栗色でセミロングで、目がパチッとしてて……
身長は私位かな?
あ、耳に変わったピアスしてる!大きめの丸い、ブルーのピアス!」
ダリアの説明を聞いて確信したラタルは愕然とその場にしゃがみ込んだ。
「ど、どうしたの!?」
「……………いや……………なんでも………」
仲良くなったと言っていたからてっきり母親だと明かしているものだと……
あの身の程知らず!
何が同い歳だっっ(怒)
「ラタルくん!大丈夫!?」
返事もせずラタルはおもむろに立ち上がると、先程乗り越えたフェンスの方へ向かってスタスタと歩き出した。
そしてすっかり忘れ、放置していたフルーツタルトの箱を手に取り、ダリアに「はい」と渡した。
「え??ありがとう……何?これ……」
「その友達から」
「はっ!?」
訳がわからずに眉を寄せるダリア。
ラタルは満面の笑顔で言った。
青筋を額に浮かべながら。
「それ、うちの母親だから」
END.