プロローグ2
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ここは、夏にはキャンプ場として使われるバンガローらしい。
クラピカが私を麓へ運ぼうと山を下る途中に見つけ、書いてあった管理人の連絡先に連絡し、数日分を前払いして借りてくれていた。
そして鍵と一緒に薬や食材もお願いして届けてもらったらしい。
クラピカは「こんなものしかできなかった」シチューを部屋に運んでくれた。
それは震えそうな位美味しかった。
「明日の昼まで借りてある。それまではゆっくり体を休めたらいい」
『ありがとう』
明日……今度こそ、たった一人の旅が始まる。
まずどこへ向かうかは決めているけど……
クラピカとはこれきりなんだね……
そして、旅立ちの朝。
抜けるような青い空が眩しくて、痛い位だ。
『今までありがとう!
この恩は一生忘れないよ!元気でね!!』
「ああ、リンも気をつけて」
二人で握手を交わす。
私より早くクラピカは背を向け、バンガローを後にする。
ああ行っちゃう………
なんだか胸が痛む。
訳もなく呼び止めたくなる。
この寂しさは何だろう…
その時、クラピカが立ち止まり、私の方を振り返った。
ぼぅっと見送っていた私は、思わずドキッとする。
『ど、どーかしたっ!?』
我ながらビックリする程、動揺丸出しのひっくり返りそうな声。
だけどクラピカは少しも気にした様子はなく。
「多分…何故だかわからないが、またきっと会える。そんな気がする。
…それまで元気で」
そう言うと、クラピカはふわりと笑った。
それはそれは、綺麗な綺麗な笑顔。
クラピカ……
うん、きっとまた会えるね!!
私もバンガローを背にして歩きだす。
たったそれだけのクラピカの言葉が私の支えとなって、私の全てを動かした。
一人になり、山を下りながらこれからの事を考える。
私の向かう先は………
まず、なんとかしてハンター協会の会長と連絡が取りたかった。
師匠の死は多分まだ知らされていないだろう。
しかしハンター協会の会長とか、コネ無しには会えないよね……
師匠がいない今、私には何もない。
『どーしよー!!』
何一つ始まる前から、心底困り果ててしまった。
!!
あっ、そうだ……
『ハンター……』
そうだ!そうだよ!!
私もハンターになればいいんだ!!
クラピカがこれから受けに行くと言っていた。
私も受ける!
ハンターになる!
そして会長に会って、師匠がやり残した仕事、私が代わりにやるんだ!!
決意が生まれると同時に、ようやく気持ちが明るくなった。
明確な目標を持って、明日へ向かう。
師匠、私、頑張るから
どうか見守っていてね。
クラピカ……
きっとまたすぐに会えるよ!
私は朝日を体一杯に浴びながら、自慢の足で山を一気に駆け降りた。
~続く~