修行とバイト
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『いやだよ!!私一人置いてかないで!
邪魔なんてしないから!!』
リンは必死で訴えるが、クラピカの師匠は
「駄目ったら駄目だ!!」
と、腕で×を作ってみせた。
「リン、すまない。とりあえず私は行くが、何かあったら構わずに来い」
クラピカに優しく頭を撫でられ、リンはぐっと言葉に詰まる。
「…行ってくる」
『…って、らっ…』
ろくに励ましの言葉もかけられないまま、山へと登っていく後ろ姿を見送るしかなかったリン。
二人が見えなくなると、一人、愕然とその場に膝をついた。
『やだぁ~…嘘……一人でどうしろと…?』
リンは寂しさにうちひしがれ、泣きそうになった。
しかし、さっきの喫茶店で求人募集のポスターが貼られていたのを思いだし、(これだー!)と、急いで店へ戻った。
無事、面接をクリアして働く事になったリン。
店主に事情を話すと、給料天引きで良ければ空いてる部屋に住み込みしても良いという。
その温情でリンは何とか立ち直り、気をとり直して働く事にした。
『よっしゃ!!丁度お金が欲しかったし、クラピカが帰ってくるまで頑張って貯めよう!!』
それにしても、クラピカの念修行、どの位かかるだろう
私が師匠に教えてもらった時は、纏から始まって…約一年半かかった
え!!
もしかしてクラピカともその位会えないの!?
それは絶対有り得ない!!
どうしよう……
リンはそのまま数日、喫茶店の仕事に励み、初めてもらった休みの日に山へ登る事にした。
自慢の足で急な坂もひどい畦道も軽々と登っていくリン。
邪魔しないから…
少し見るだけ…
クラピカがどんな状況なのか気になるんだもん…
リンは登りながらもキョロキョロと二人を探す。
そろそろ絶使った方がいいかな?
リンはオーラを消し、気配を絶つ。
頂上に向かって山を八割程登った高い場所に、二人はいた。
……見っけ…
あ、クラピカだ
頑張ってるかな…?
茂みに隠れ、リンは二人の会話に耳を澄ませる。
山に篭って一週間位だが、クラピカはすでに纏は習得した様子。
リンには見ただけでわかった。
ちょっと凄すぎないかな、クラピカくん…
凹むんですけど…
リンはそのまま暫く隠れて見ていた。
クラピカは纏を覚え、すでに練の修行に入っていた。
その表情は必死で、何か見えないものと戦いながら深い闇を目指していく…そんな風に見えた。
『クラピカ……』
リンは胸が苦しくなった。
いつまでも消える事のない憎しみ…
己を殺し、突き進む先にはどんな未来が待っているのか…
本当は復讐などやめて、自分の幸せの為に生きて欲しい。
…クラピカの気持ちを考えれば、言えるはずもないのだが。
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