修行とバイト
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"彼"との待ち合わせ場所は、大都市が一望できる程の高い山の梺にある綺麗な喫茶店だった。
クラピカとリンは、窓際のテーブル席に並んで座り、待っていた。
しかし、約束の時間を過ぎても彼は現れない。
『おっそいな~何やってるわけ!?』
短気なリンは、足をカツカツ鳴らして苛立っている。
クラピカも何度も時計を見て、ため息を漏らす。
そして、約束の時間を40分も過ぎた頃
カランカラーン
店のドアが開く音。
『お兄ちゃん!!』
リンは椅子から立ち上がり、大きく手を振って彼を呼んだ。
「リン!!お前っ、デカくなったな~!!何年ぶりだっけか!?」
どうやら彼がその話の主らしい。
『てか遅すぎ!!有り得ない!!なんなの!!』
「すまん。寝てた」
大幅な遅刻のせいで、第一声が愚痴になってしまい、感動的な再会とはいかなかった。
彼は特に気にする様子もなく、よっこいせと二人の向かいに腰掛ける。
「…ん、お前さんか?念の修行をしたいってのは」
クラピカは立ち上がり、一礼してから口を開いた。
「私の名はクラピカ。今回ハンターになり、仕事を探す為、念が必要です。どうか伝授して下さい」
彼はまじまじと上から下からクラピカを眺める。
「…ふ~ん、成程ねぇ」
クラピカは、自分の身の上の事情も正直に話し、ハンターになった目的も明かした。
彼は時折コーヒーをすすりながら黙って聞いていた。
『お兄ちゃん、お願い。クラピカに念を教えてあげて!』
"お兄ちゃん"と呼ぶには大分歳を重ねているであろう、黒髪、無精髭のその男は、クラピカの顔をじっと見て、彼なりに吟味している様子。
「……まぁ、いいだろう。教える分には構わねぇ。
見たところ、悪いようには使わないだろう」
『ホント!?ありがとう!!』
「だが修行をしてどれ位極められるかは自分次第だからな。
よし、そうと決まれば行くか!」
彼は立ち上がり、会計をさっさと三人分済ませて店を出た。
待ち合わせには遅れたくせに、いざ行動となったらせっかちな位早い。
つまり自己中なんだろう。
「あの…師匠!行くとは、一体どこへ?」
「修行に最適な場所だよ!!この山を登るんだ。マスターできるまで篭るぞ!」
スタスタと前を歩く、その新しいクラピカの師匠は、思いだしたように立ち止まり、くるりと振り返った。
「おい、リンは来るなよ!クラピカだけだ!邪魔になるからな!」
『…えぇっ!?』
当然のように後ろをついてきていたリンは、その言葉で一気に青ざめた。
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