" 念 "
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丁度ホテルの受付をする時にクラピカの携帯が鳴り、手続きをリンに頼んでクラピカは外へ出た。
古い知り合いからの他愛ない電話で、割とすぐに話は終わり、中へ入った。
キーを預かったリンと共にエレベーターで部屋へ向かう。
目的の階へ着いてリンが先に降り、部屋を探している。
「おいリン、私の部屋の鍵は?」
クラピカが少し後ろから手を出し、こちらによこせの意を示す。
リンは不思議そうに首を傾げ、答えた。
『ツインで一部屋頼んだんだけど……??』
「………」
クラピカはそれを聞いてすぐに(しまった…)と思った。
リンがこういうキャラというか、価値観というか、とにかく普通よりも少しズレた感覚を持っていた事を、クラピカはすっかり忘れていた。
クラピカは暫く部屋の前に佇み、考え込んでいた。
しかし、もう部屋も取ってしまった事なので、意を決して部屋へと入った。
『あ、遅かったねクラピカ!何やってたの?トイレ?部屋の中にもあったのに』
先に入っていたリンは、既に片方のベットに横になり、テレビを見ながら笑っていた。
かなりくつろいでいる様子。
クラピカはそれを見て、自分が長い事ドアの前で悩んでいた事が馬鹿らしくなり、「はぁ…」とため息をついて自分もベットに横になった。
まだ時間も早かった為、それぞれでシャワーを浴びたり、一階のレストランで食事を採ったり、インターネットで調べ物をしたりして、ゆっくりと過ごした。
そして翌日に備え、少し早めに各々ベットに入った。
色々あった一日、疲れているはずのリンは何故だか眠れなかった。
目を閉じると、キルアやゴンやレオリオの顔が浮かんで、暫く会えないんだなぁと、とても寂しくなった。
クラピカ……もう寝たかな?
リンは寝返りを繰り返し、何度もクラピカの方を見たが、起きている気配はない。
『……クラピカ~…?』
我慢できずに、ついつい声をかけてしまった。
しかし、返事はない。
寝てるし……
やだな~、眠れないよ……
リンは音を立てないように、そ~っとベットから抜け出し、クラピカの布団の中に入ろうとした。
すると……
ガシッ!!
『うわっ……!』
不意に腕を掴まれた。
『え、え?クラピカ……
起きて……たの??』
「……何のつもりだ。
勝手に黙って人のベットに潜り込んでくるな」
クラピカは目を閉じたまま不機嫌そうに言った。
『呼んだのに、起きてるなら返事してよ。寂しくて眠れないから一緒に寝てもいいでしょ?』
リンはしれっとベットに横になり、布団を自分に掛けようとしている。
クラピカの頭の中は、リンの何もわかっていない行動にかなり腹が立っていたが、なるべく冷静な声で対応した。
「ふざけるな。いつまでも甘えた事を言ってないで自分のベットに戻れ」
『何で?広いベットなんだしいいじゃん。もう起こさないから。ね?』
甘い声でおねだりするリンに、クラピカはうんざりしていたが、それからは返事もしなかった。
何を言おうと、ラチのあかないやりとりになる事をわかっていた。
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