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ガチャッ……ギィー……
玄関から入り、ゆっくりと客間に向かう。
「おーい!ゴン!」
いきなりのキルアの大声にもビクッと驚く位、緊張しているリン。
すると中から数人の執事らしき人達が出てきて、キルアに向かって一礼した。
「キルア!!」
ゴンも奥から飛び出してきた。
「よお!よく来たな!」
「うん!あれっ?リン??リンも来てたの!?」
ゴンが目を丸くして駆け寄ってくる。
その声を聞いて、中から出てくるレオリオ。
「あっ!お前どこに行ったかと思えば……!心配したんだぞ!!」
レオリオがリンに向かって指を差しながら言った。
『は……はは……ごめんね、ホント……』
そして、その後ろからクラピカが、ゆっくりとやって来た。
「……………」
クラピカはリンの顔を見ても何も言わない。
ただ黙って見つめている。
しかしその表情は、今まで見たこともない位、驚いたような、切ないような、言葉にならない顔をしている。
「おいコラ!何ボサッとしてんだよ!お前が必死こいて探してたリン、見付かったじゃねーか!よかったな!」
レオリオがクラピカの肩を肘でつつき、クラピカの時間が動き始めた。
リンはどうしようもなく、固まっている。
……どうしよう……
クラピカに会ってしまった……
うわぁ……クラピカだ……
会いたかった……!
リンの手の震えにキルアは気付いたが、黙って前を見据えていた。
「……リン、お前、何故黙っていなくなったり……」
そこまで言って、クラピカが言葉を止める。
クラピカの視線の先は
キルアとリンの、しっかりと繋がれた手……
キルアはクラピカの視線がそこに止まった事に気付き、パッと手を離した。
リンはキルアの方へ振り向き、なぜ手を離すの!?という、ショックな顔。
『なんで?嫌な顔されたら引き取ってくれるって言ったのに、なんで今離すの?』
ものすごく不安気な顔で、しかし小声でキルアに訴える。
(うわ……そうだ、こいつはこういう奴だった……)
キルアは、あちゃ~という表情。
「……リン。
ここへ来るなら来ると、何故言わずにいなくなった?皆が心配する事位、わからなかったのか?」
クラピカのいつも以上に冷たい声。
リンはビクッと体をこわばらせる。
やっぱりダメだ……
やっぱり会わなければよかった!
もしクラピカに、面と向かって迷惑だと言われたら……
もう終わりだ……!!
リンは返事もせずにいきなり背を向け、玄関の方へ走って行った。
「あ、おい!どこ行くんだよ!」
キルアが慌てて腕に手をかけようとするが、間に合わない。
リンはあっという間に外へ出ていった。
ゴン、レオリオもとっさに追い掛けようと走りだした時―――
金色の髪をなびかせて、
誰よりも早く皆の間を縫って、クラピカが飛び出して行った。
クラピカの走った後に、ふわっと風が吹いた。
「……ははっ……さすが……」
「大丈夫かな、リン……」
感心するレオリオと、心配そうな面持ちのゴン。
そして……残されたキルアは、クラピカの後ろ姿を、ただただ黙って見送るだけだった。
~続く~