もうすぐ…
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リンはそのまま独房にいて、部屋の中にある数少ないまともな椅子に座っていた。
キルアはなんだかウトウトし始めている。
(あんな状態で寝れるなんて、すごいな~キルア……)
リンは感心しながら、そんなキルアの様子をマジマジと見つめていた。
そこに、また兄貴が帰ってきた。
寝ているキルアに気が付き、声をかける。
「おい。コラ」
キルアは気付かない。
「起きろ!!」
ミルキはキルアの体を思いきり鞭で殴りつけた。
バシーン!!!
『!!!!!』
目の前で人が鞭で叩かれる光景など見たことがなかったリンは、飛んで驚いた。
『やだぁ!!キルアに何すんの!?』
リンは叫んだ。
まるで自分が殴られたように心も体も痛い。
「ん……あれ、兄貴、おはよう」
そんな呑気なキルアの言葉にミルキが切れて、更に煙草を押し付けた。
リンはもう我慢ならんと、ミルキに飛びかかっていく。
しかし寸前で、何やらお爺さんがやってきて、キルアに独房を出る許可をくれた。
(この人がキルアのお祖父ちゃんか……)
優しそう……とは言えないけど、話し方とかは他の人よりマシみたい。
キルアは自分で鎖を引き千切り、リンの手を引き、その独房を後にした。
「父さんが呼んでるらしいからさ。ちょっとだけ俺の部屋で待っててくんない」
『うん、わかった!』
キルアは部屋で着替えを済ませた後、一人、父親の元へ向かった。
リンはふ~~~っと長いため息をつき、ベットに倒れ込んだ。
クラピカ……
今、すぐ近くにいるなんて
何だか……嬉しい
でも会うわけにはいかないし
キルアが帰ってきたら、山を下る別の道を教えてもらおう……
暫くしてキルアが戻ってきた。
眠りかけていたリンは、勢いよく飛び起きる。
『ど、どうだった!?
また何か痛い事されたの!?』
「全然!ゴンたちと行っていいって!
お前も支度しろよ。行こうぜ!」
キルアはすごく嬉しそう。
てゆーか、お父さんはそんなに物分かりいいんだ……
意外だな
「何してんだよ?」
『ん?あ、そうだ!この山さ、来た道以外はないの?下りるとこさ』
「ないよ。何で?」
『なっ、ないの!?』
当然あるだろうと思っていたリンは、酷く衝撃を受けた。
「何でそんな事訊くんだよ?」
『あ、いや…その…』
「はっきり言えよ」
キルアはしかめっ面でぶっきらぼうに問い質す。
『ホラ、あのさ、近くまで今ゴンたち来てるでしょ?てか合流するんでしょ?……私……クラピカに会いたく……なくて……』
ん?ちょっと、てか大分違う……
会いたくないんじゃなくて、会えなくて……
「はぁ?何意地張ってんだよ。面倒だからもう行くぞ!」
キルアは一秒でも早くゴンの所へ行きたい様子。
『ま、待って!ほんと、クラピカにはもう会うわけには行かないんだよ!』
「んじゃ今日会ったら、後はもう会わなければいいじゃん!少し位我慢しろよな!」
「会いたくない」がリンの本音でない事をわかってか、キルアの対応はかなり適当。
リンは腕を引かれ、無理矢理部屋から連れ出された。
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