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ゾルディック家本邸の地下の独房で、リンとキルアはゴンたちがここにやって来た事を知った。
「マジかよ…あいつらわざわざこんな所まで何しに……」
『あんたが心配で会いに来たんだよ!私と同じようにさ!』
キルアの複雑そうな瞳の奥に、確かに嬉しさが滲んでいるのを、リンは感じていた。
『ねぇ、早く出て会いに行きなよ!』
「何言ってんだよ、お前!キルアは自分の意思で勝手に出るなんて事はできないんだよ!」
『あんたこそ何言ってんだよ!キルアが友達に会いに行くのは自由ですっ!
あんたなんか、キルアをこんなにいじめてさ、最低だ!!大嫌い!!』
「何~~!?お前なんか今ここで殺してやる!!」
ミルキはリンの言葉にカンカンだ。
しかしリンは正直、これでも我慢した方だった。
本当ならデブとか性悪とか、キルアに似なくて可哀想とか、言いたい事は沢山あったのだ。
「よせよ。
おい兄貴、そいつらに伝言頼むよ。来てくれて嬉しい、今は行けない、ごめんなって」
「はぁ!?バカだろお前!こいつにこんな事言われて、ハイそうですかって行く程優しくないぜ、俺はさ!」
『ごめんなさいお兄さん!!私が全面的に悪かったです!!キルアの伝言、どうか伝えてやって下さい!!』
リン、豹変。
「はぁ!?ふざけるなよお前!!」
リンの幾重の平謝りに、ミルキはぶつくさ言いながら渋々、母親に伝言を伝えに言った。
『キルア……今のうちに行こ?この鎖、外し方教えてよ』
「行かないって。そんな逃げ方、意味ねーよ」
『じゃあ私、キルアが出るまでここにいたい。駄目?いいでしょ?』
「多分、母さんに追い出されると思うぜ」
『あんた何言ってんのよ。ちゃんとかばってね。
そんなんじゃ嫁がお母さんにいびられても守れなくて離婚だぞ!』
「じゃあリンが嫁に来る?暗殺一家の嫁」
キルアは笑いながら言った。
『キルアが家を出て、別居するなら嫁に来るわ』
キルアはドキッとした。
自分は冗談のつもりで言った。
リンも笑いながら冗談で返した。
ただそれだけの事。
わかってはいても嫁に来るなんて台詞、リンの口から出た事に、キルアの心臓はバクッと跳ねたのだ。
──今のは冗談
こいつにはクラピカがいる
わかってる……
キルアは自分の中に沸き上がるものを抑え、心を落ち着かせた。
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