プロローグ2
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死ぬ程泣いた。泣いて泣いて枯れる程泣いた。
いつ眠ったのかわからないけど、次に起きた時には夕方だった。
またもや隣りでは少年が椅子に座ってそこにいた。
眠っているようだ。
私は少年を起こさぬよう、痛む傷をかばいながら体をゆっくり起こした。
それに気付いた少年は
「まだ無理はしない方がいい」
と、私の体をそっともう一度ベットに寝かせた。
『……ごめんね。本当にありがとう。あなたも用があったんだろうに……
でも私独りならどうなってたか。助かったよ』
「私は構わない。急いでいたわけじゃない」
少年はまたゆっくり椅子に座り直す。
「君は……帰る所はないのか?傷が良くなるまで一人で旅など止めた方がいいと思うが」
『彼が帰る場所だったんだ。もう……』
最後まで言葉が出ない。
溢れる涙を止めようと、天井を仰ぐ。
いい加減、泣いてる姿ばかり見せたくもなくて、話題を変える。
冷静になってみれば、一番気になる事だったから。
『あなたは今からどこに?てか名前!そうだよ名前聞いてない!!教えてよ!』
「…私の名はクラピカ。
これからハンター試験を受けに行く」
『へぇ、驚いた!
私の師匠はハンターだったんだよ!でも試験はすっごく危険極まりないっつってた。死者も出たりするんだよ?大丈夫?』
「死ぬ事は怖くない」
そのクラピカなる少年の瞳は真っ直ぐですごく綺麗。
出会って初めてちゃんと目を見た気がする。
『でも……まだ若いでしょ?よく家族が許したよね』
「家族はいない。一族はみな殺された。
幻影旅団という盗賊たちにな」
瞬間、陰りを見せる彼の表情にハッとして、私は慌てて頭を下げる。
『ごめん!酷い事聞いちゃったね……』
「構わない……」
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