キルアんち!
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「この扉の向こうにキルがいるわ」
そこは地下へ深く下りた暗い場所で、リンは触れてもいない壁からヒンヤリと冷たい空気を感じた。
重たい音を立て、大きな鉄の扉が開く。
そして、リンの目に飛び込んできたキルアの姿は―――
両腕を繋がれて、数えきれない位の傷を体に刻まれて、血だらけで……
「少しの時間だけですよ。あぁ忙しい!」
母親はバタンとドアを閉め、出て行った。
リンはボロボロになったキルアのもとへ駆け寄る。
『キルアァァ!!』
「…ん?…あれ、お前まだここにいたんだ」
キルアは眠っていたらしい。
『大丈夫!?キルア!
今下ろしてあげるから!!』
リンは腕を繋ぐ鎖を思いっきり引っ張ったり、叩いたり、末には噛みついたりしてみるが、びくともしない。
「無理だっつの」
キルアはこんな状態でも冷静だ。
『やだよ~こんなに傷付けられて……キルアが死ぬ~~』
リンはしゃがみこみ、泣き出してしまった。
「お前、ほんっと泣き虫な!こんなのどうって事ねーって」
『嘘だよ~バカ~』
リンはつり下げられたままのキルアの体を、自分のハンカチで拭き始めた。
「つーかさ、この家にいるのも疲れただろ?帰っていいんだぜ」
『こんなキルア、置いてなんて行きたくない。
私と一緒に行こ?』
リンは真剣な眼差しでキルアを見つめる。
「…それは無理だ。ごめん」
『じゃあここから下ろしてもらえるまで、キルアの側にいる!』
「俺の事より早くクラピカのとこに戻れ!」
……一瞬、その場がシンと静まる。
『キルア……』
今、その名前出すなんて……
リンは傷付いた表情で俯いてしまった。
その時、トイレに行っていたキルアの兄、ミルキが帰ってきた。
「あ、お前か!キルの友達とかいうやつは。
全く、こんなとこにまで案内して、母さんも甘いんだからさぁ!
お前もキルといたいなら一緒に繋いでやるよ」
「…おいミルキ。余計な口を叩くなよ。こいつに何かしたら、俺マジで切れるからな」
こないだ見たキルアの、あの鋭い目。
「わ、わかってるよ!キル、お前立場わかってんのか!?せっかくお前の喜ぶ話、持って来てやったのに」
「はぁ?喜ぶ話だぁ?」
不機嫌そうに顔をしかめるキルアに、ミルキは「ふん」と嘲笑を浮かべながら続けた。
「またお前の友達とかいう奴が試しの門のとこまで来てんだってよ。今度は三人も!
全く、暗殺稼業を継ごうなんていうやつが友達なんか作るなんてさ、間違ってんだよ」
ミルキはぶつぶつと一人ごちている。
キルアの友達って……まさか……
「ゴンたちだ!」
リンとキルアは顔を見合わせた。
って事はクラピカも……?
会わないと決めたのにどうしよう……
その頃
ゴン、クラピカ、レオリオの三人は、
既にゾルディック家の試しの門をクリアし、同じ敷地の中に足を踏み入れていた。
~続く~