プロローグ2
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目覚めたら、夜だった。
見たことのない、木造りの部屋で私はベットに寝かされていた。
ふと隣りを見ると、あの少年が椅子に座り、壁に背をつけ目を閉じている。
あっ………師匠は!?
『ねぇ起きて!!ちょっと!…いたっ…』
少年はすぐに気付き、目を開けてこちらを見た。
「気が付いたのか」
肩の激痛で、撃たれた事を思いだした。
しかも傷は右肩だったが、少年が自分の右側にいたので構わず傷を下敷きにしてしまい、傷口が開いた。
『ぎゃああっ!!いったぁーい』
余りの激痛に涙が出る。
少年は冷静で、私の肩からゆっくりガーゼを剥がし、手当てし直しながら口を開いた。
「彼は君の師匠だったのか。
残念だが、もう息を引き取っていた。損傷が酷かったから、君にはすまないが既に私があの山の麓に埋めた。
後で場所を案内しよう」
話してる間、少年は一度も視線を上げない。
『……本当なの……?』
おびただしい血が広がった、あの光景が頭に蘇る。
私の為に人生の自由を何度も犠牲にしてきた師匠……
師匠が何をしたっていうんだろう……!
悲しい。死ぬほど。
声が出ないよ。
私はオエツを漏らしながら、声を殺すように泣いていた。
何度も心の中で師匠に謝りながら。
少年は何も言わず治療を続け、終わった後もずっと側にいてくれた。
失った悲しみと、師匠を殺した男へのどうしようもない位の憎しみと、自分でもよくわからない自分への怒りと………
ドロドロばかりが頭も心も埋めつくしてゆく中で
隣りにその綺麗な少年がいてくれる事だけが、今の自分を支えていた。
たった今、独りじゃなくて本当に本当によかった。
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