キス
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「参った◆僕の負けでいいよ◆」
『………!!』
嘘……クラピカが勝った……
今、参ったって言ったよね?クラピカの勝ちだよね?
という事は───
これでクラピカはハンターになれるんだ……
嬉しい……嬉しい!!
本当によかった!!
クラピカが合格してよかった!!
顔を抑える指の間から、キラキラと涙がこぼれてくる。
隣にいたレオリオは、黙ってリンの頭をポンッと叩いた。
「何泣いてんだよ、バカ。まだ自分は決まってないんだからな」
キルアも呆れた口調で言い放つ。
『はは……そだよね……ぐすっ……』
クラピカはそんなリンの様子を見て、これから告げようと思っていた最後の言葉を、頭の中で整理した。
"合格できたのはリンのお陰だ"
"本当にありがとう"
"私は私の誓いを貫くつもりだ"
"リンもどうか元気で……"
クラピカは目を閉じて深呼吸し、心を決めてリンの方へ向かった。
ところが
『わ!何!?ちょっ…』
何を思ったのか、クラピカよりも早くヒソカがリンの目の前に現れ、その手を取って部屋から出て行ったのだ。
──バタン───
「ヒソカ!!」
「あの野郎……!」
クラピカとキルアとレオリオが、急いで後を追うが
長い廊下が続くはずの部屋の外には、すでに二人の姿はなかった。
「どういうつもりだよ、あいつ!リンに何する気だ!?」
壁を殴って苛立ちを顕にするキルア。
二人を探す為に部屋を出ようとしたところを、クラピカに止められた。
「お前達はまだ試験が残っているだろう。私が行ってくる」
クラピカは会長にその場を離れる許可を取り、部屋から走って出て行った。
リン―――無事でいてくれ!!
突然連れ出され、何が何やらわからない状態のリン。
二人はこの最終試験の会場であるホテルの、最上階にいた。
『え……えっと……何か用ですか?』
恐る恐るヒソカに尋ねる。
「くくく……君の友達のせいですっかり欲情しちゃったから、君に責任取って欲しくてさ◆」
『は、ははは……キツイ冗談言うよね、あなた……
やめようよ。お互いまだ合格決まってないんだし……』
リンは笑顔をヒクつかせて、後退りする。
怖い……こいつの事が、今初めて怖い!!
本気だよ!何されるわけ?
闘うの?それとも……
逃げたいのに足が動かない
いや、多分逃げられない……
リンは一歩一歩近寄ってくるヒソカから目が離せずに、後退りを続けた末、壁に背を付いてしまった。
そしてリンにたどり着いたヒソカは、逃がさないとばかりに壁に両手をついて閉じ込めると
リンの唇に、自分のそれを重ねた……
訳がわからないまま、目の前が真っ白になった。
動けない。
声も出ない。
自分の体じゃないみたいに、人形みたいに、されるがまま………
ヒソカは唇を離し、薄い笑みを浮かべた。
その時、クラピカがやっとその場を見つけ、駆け寄ってきた。
「リン、大丈夫か!?ヒソカ貴様っ…!!」
「いいところだったのに、残念◆くっくっく◆」
クラピカはヒソカを攻撃しようと武器に手をかけたが、ただならぬ様子で放心しているリンが目に入り、そちらへ走った。
ヒソカは振り返らずにその場を去り、階段を降りて戻っていった。
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