キス
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ヒソカとクラピカの試合が始まり、もうどの位の時間が経っただろう。
目の前では未だ二人の激闘が繰り広げられている。
『(クラピカ、強いな…
ヒソカとなら実力差が結構あるんじゃないかと思ってたんだけど…)』
リンはクラピカの闘う姿を見て、こんな時になんだが、かっこい~じゃん!などと思っていた。
それにしてもヒソカはさっきからずっとニヤニヤしてる…
やっぱ気持ち悪い…
「くっく……さっきから君を応援しているあのコの熱い視線を感じるなぁ……◆」
ヒソカはリンの方を見て嬉しそうに手を振っている。
『こっち見んなっ!!』
リンはささっとレオリオの後ろに隠れてヒソカをギロリと威嚇した。
「試合に関係ない発言は控えろ。集中に欠ける」
苛立ちが滲むクラピカの低い声に、ヒソカは一層機嫌が良さそうに口角を上げる。
「あのコ可愛いなぁ◆ホントに持って帰ってもいいかい?」
ヒソカのその言葉に、とうとうクラピカの琥珀の瞳が緋に染まった。
『あっ……緋色……』
相変わらず、すっごく綺麗
不思議だが、クラピカの緋色の瞳を見ると、リンは何故かすごく鼓動が高鳴り、とてもクラピカに触れたくなった。
ヒソカはその瞳を見て、震えだす体を何とか自ら抱き込んで押さえつける。
「くく…あぁ…もう…君のせいで……抑えがきかなくなっちゃうよ◆」
ヒソカは恍惚とした表情ながら、苦し気に息を切らしている。
「リンはお前の手に負える奴ではない。それに、私が許さない!」
激情に駆られたまま、クラピカはヒソカに向かっていく。
『クラピカ!負けないで!!』
リンは汗ばむ手をしっかりと握り、叫んだ。
ヒソカも狂気に歪んだ形相でクラピカに攻撃する。
互いに一歩も譲らず、一瞬も止まらず、まるで何者かに乗り移られているように闘い続けた。
「二人とも完全にキレてやがんな。ヤバイぜ」
クラピカ…どうかどうか……
リンの祈りは強くなっていく。
どの一手でクラピカが傷付き、終わってしまうかわからないような紙一重の攻防。
目を逸らしたくなるのを必死で堪え、唇を噛みしめながらリンは見守っていた。
そして、暫くの闘いの後、興奮が収まった様子のヒソカがクラピカに近付き、耳元で何かを呟いた。
クラピカがハッと目を見開く。
そのまま固まったクラピカの横を通りすぎ、ヒソカは会長に向かって自身の負けを宣言したのだ。
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