まさか!
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まず足を使って様子を見ようと、リンは地面を力一杯蹴って走り出した。
しかし、何とゴンも同じ考えだったらしく、二人は同じ方向に向かって、一瞬並んで走ったのだ。
それに驚いたリンが後ろに飛び退き、ゴンも立ち止まる。
「『……………」』
え……
何、今の………
居合わせた一同は、二人が全く同じ動きで、同じ方向に、同じ速さで、同じ考えを持って動いた奇妙な光景に、ただただポカンと呆けていた。
『(そ、そうだった…
ゴンも足が速いんだった…)』
リンは、三次試験の闘技場で、爆弾魔相手にすごいダッシュを見せたゴンの姿を思いだした。
そして、同じ事を考え、同じ動きをしてしまった事が、皆の手前、何だかちょっと恥ずかしくなった。
(ま、まぁいいや。続けよ…)
リンは、今度は少し考えたのか、ゴンに向かいゆっくり近付いていった。
いつも、どんな状況でもおしゃべりなリンが、今回は全然口を開かない。
ゴンはじりじりと後退りする。
リンのいつもと違う冷たい表情に、威圧感と微かな恐怖を感じる。
ぐぐっと押されていくように、ゴンはどんどん後ろに下がっていく。
突然、リンは凄まじいスピードでゴンの目の前まで詰め寄った。
手加減なしの本気のダッシュ。
瞬間、怯んだゴンにリンがとった行動は────
ゴンの首元を掴み、足を刈って床に強く叩きつけた。
ゴンはその衝撃で「げほっ」と咳き込み、苦しそうな表情を見せた。
リンは倒れたゴンの上にまたがり、首を掴んだまま言った。
『正直、私の方が三年長く生きてる分、ちょびっとだけ強い。と思うんだ。
だから……参ったって言って。お願い』
リンは冷たい表情を崩さずに、冷静な声で語りかける。
今までとあまりに違うリンの姿を見て、クラピカもキルアもレオリオも、目を見張った。
「はは……誰だよありゃ……」
「実力はともかく、人格違うだろ」
「……リン……」
ゴンは決して参ったなんて言わない事を、リンは知っていた。
「…くっ…嫌…だっ…言わない!!」
ゴンは強く瞳を見開き、リンの顔を掴んで自分の顔に思いきり引き寄せ、
ガンッッッ!!!
と、大きな音をたてて強烈な頭突きを喰らわした。
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