覚醒
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「お前にとって男はクラピカだけかよ……」
『はいっ?』
(コイツ、俺だからいいけど多分俺じゃなくてもこんな事普通にやりそうだな…)
キルアは諦めて、そのままベットに大の字になった。
「……なぁお前さぁ、クラピカが好きなんだよな?」
『え、今更なに?』
いきなり予想もしないような話題を振られ、リンは目を丸くする。
「クラピカを好きでいる限り、ずっとあんな風に自分を犠牲にしたり、クラピカの為に命を懸けたりし続けるわけ?」
『!』
キルアは睨むようにリンを見て、それだけ訊くと、プイッと背中を向けてしまった。
リンはすぐに、キルアが何を思ってそんな事を言うのか、その真意を悟った。
心配……してくれてる―――
本当はその気持ちがとても嬉しくてはしゃぎたい位だったが、リンはその質問に笑わず真剣に答えた。
『私、親も他の一族もこの体のせいで失くした。師匠も殺された。
……キルアには初めて話すよね。
独りになって絶望の淵に立たされた時、私はそこからクラピカに救いだされたの』
リンはまたあの時のあの光景や、クラピカと過ごした時間を思いだしていた。
『最初はバカみたいにさ、クラピカに受け入れてほしくて必死だったけど……
気付いたんだ。クラピカが私に与えてくれたものの大きさに。
私、もう何も望まないと決めた。
クラピカを守って、クラピカの幸せの為に生きるの』
リンは透き通るほど澄んだ瞳で、真っ直ぐに言い切った。
「クラピカが望んでなくても?」
『なくても。私にとって、もうこれ以外に存在意義はないんだよ。私の中で最上級のワガママ』
キルアはそんなリンの気持ちを聞いて、胸に込みあげる何かを必死で抑えた。
リンの気持ちは痛い程伝わってくる
けど……
やっぱりクラピカを許せない
自分の中で、こんなにもリンの存在が大きくなっていた事に、キルアは初めて気が付いたのだ。
四次試験が終了してから三日が過ぎ、いよいよ最終試験が行われる事になった。
会長が決めた、その試験内容は
トーナメント戦。
ただし、勝利は一度きりでいい。
敗者が上っていく……つまり不合格者はたった一人のトーナメントだ。
勝負方法は自由。だが、殺したら負け。
相手に「参った」と言わせる事でのみ、勝利できる。
会場に着き、受験生全員の前で最終試験のルールを会長が説明した。
そして組み合わせが書かれたボードが公開された。
『あ……!!』
その組み合わせで書かれたリンの相手は──────
~続く~