覚醒
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次の会場へと向かう飛行船の中、クラピカは一人、通路の長椅子に腰掛け、景色を眺めていた。
そこにキルアが「よっ」とやってきて、隣りに腰を降ろした。
暫くの沈黙。
先に口を開いたのはキルアだった。
「ねぇ、ストレートに聞くけどさ、いい?」
「なんだ?」
キルアが、目を合わせないクラピカの横顔を見る。
「クラピカはリンの事、嫌いなわけ?」
「………」
やはりか……といった面持ちのクラピカ。
「いや……そんな事はない」
「だよね。じゃあさ、アイツの事、好きなの?」
本当にストレートに次々と質問をぶつけてくるキルア。
クラピカは漸くキルアと視線を合わせた。
「……何故、そんな事を訊くんだ?」
「俺、アイツをずっと見てきてさ、アイツがさ、四次試験……だけじゃなくて、まぁ全部だけどさ、ホントに全部、受かりたい理由も落ちていい理由もアンタなんだよ」
クラピカは黙ったままキルアの話を聞いている。
「これ以上あんなアイツ見るのって辛いっつーか、正直面倒なんだ」
「だから私にどうしろと言うのだ」
突き放すようなクラピカの言葉に、キルアは少し強い口調で、責めるように尋ねた。
「応えたくないの?応えらんないの?」
返事はない。
「応えたくないなら、俺がアイツ、守ってくよ。」
クラピカは思い切りキルアを振り返り、眉間に皺を寄せ、固まっている。
(意外と素直な反応だな)
互いに視線をそらさず、無言で見つめ合う二人。
すぐにクラピカはまた景色に顔を向け、言い放った。
「私に何を言わせたいのかわからんが、期待している言葉は出ないだろうな」
クラピカは立ち上がり、その場を去った。
(……ちっ、にげられた……
クラピカがアイツの気持ちを何とかしてくんないと、このままじゃアイツが辛いばっかじゃねーかよ)
キルアはリンの事が本当に大切で、心配だったのだ。
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