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山を降りる途中、通り雨に降られ
私は矢無を得ず、たまたま近くにあった岩場の下に潜った。
『幸先わるっ』
独り言も、小さく虚しく岩場に響く。
ヤバイ、もう寂しくなってきちゃった……
戻ろうかな……
師匠、まだいるかな?
バカ!何を考えてんだ私は!!
「強くならなきゃ殺されるんだ」
師匠の言葉を思いだしながら滲む涙を何度も拭った。
その時、
―――カサッ―――
枯れ葉を踏む、誰かの足音。
まさか………
『師匠───!!』
私は確認もせずに岩場を抜けだし、すぐ側まで来ていた足音の主に飛びついた。
「!!??」
『!!!???』
師匠より細い体、低い身長、柔らかな長い髪、髭のないサラリとした頬…
私は抱きしめた感触を十分に確かめてから、その者が師匠とは全く別人だという事に気付いた。
「っ…放せ!!」
大いに驚いたその相手に思いきり振り払われ、私は枯れ葉の上に思いきり倒れ込んだ。
「(…女!?)…何だ…お前は…」
金色の綺麗な髪、青い…民族衣装…?
大きな瞳に白い肌
少ない荷物を肩から下げて、私を戸惑いながら見下ろしている。
私はそれが師匠ではなかった事が悲しくて悲しくて
期待をして甘えて飛び付いた自分が悔しくて
その自分の弱さに気付き、果てしなく落胆して
気付けばその場に顔を伏せ、大声で泣いていた。
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