最終話・始まり
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「そういうお前はどうなんだ?好きな相手とかいないのかよ」
「いるよ」
思春期の男の子が色恋の質問に動揺もせず、さらりと即答した。
「うっそ~ぉ!!誰!?近所のコ!?」
「お前が好きな女だとォ!?もう付き合ってんのか!?」
「まぁ、ラタルくんも13歳ですし、好きなコくらいいますよ」
「マジかよ!?嘘じゃねーだろうな!!」
その場は騒然となり、皆、興味深々と話題に食い付いた。
「それよりキルア、質問に答えてないだろう。まだ母さんの事好きなのか?」
「好きだからクラピカがあんな警戒してんだろ!?つーか警戒されるくらい俺もリンに想われてんだよ!!」
清々しいほどに開き直ったキルアの豪快な発言に、ラタルは爆笑しだした。
「あははははっ!!男気あるな、さすがキルア!!尊敬する!!」
「こっのガキ!!」
腹を抱えて笑うラタルに、キルアが赤面しながら絞め技をかます。
「まーまー、俺もリンの事好きだし」
「お前のはただの " 約束 " だろ!?」
「あはははっ!!ギブだ、ギブ!!」
その時、二階からバタバタと轟音を立てながら、リンが駆け降りて来た。
「待て、リン!」
『やだ!!クラピカの馬鹿!!』
泣きながら皆の元に戻って来たリンに、全員がギョッと目を丸くする。
「やだぁ、どうしたの?リンちゃん!」
『クラピカが…クラピカが…
次の仕事で数ヵ月帰って来れないかもって…!!』
クラピカもリンを追って階段を降りて来た。
「リン、まだ話は途中だ」
『やだやだ、そんなに会えないなんてやだー!!』
メイカの胸にしがみつき、リンは首を横に振り続ける。
すると、ラタルがおもむろに椅子から立ち上がって、クラピカに真っ直ぐ向き直った。
「それなら丁度、俺もお願いがある」
「どうした?」
「その間、俺もハンター試験を受けに行きたい」
『!!!』
リンはバッと顔を上げ、驚愕の表情でラタルを見つめる。
『何で今なの!?ラタルまで行っちゃったら私、一人になっちゃうじゃん!!』
「試験開始日が来月だからだ。母さんはみんなの所に遊びに行っておけばいいだろう?
父さんも俺もいない時くらい、主婦業を休んで自由に過ごしたらどうだ?」
『自由いらない!やだ、なんで!?二人ともいなかったら…』
ポロポロと涙をこぼし、ふるふると震えながら、ラタルとクラピカを見つめるリン。
酒が入っているせいもあり、いつも以上に大袈裟で面倒臭い状態だ。
ラタルは長い溜め息を吐いて、リンの元へ歩み寄り、涙を拭って抱き締めてやった。
「そっか…やっとラタルもハンターになるんだね」
「ま、ラタルなら小さい頃から周りに鍛えられてるしな。フツーに受かるだろ」
ゴンだけではなく、レオリオからも絶大な信用を得ているラタル。
『そんなのわかんないじゃん!!何があるか…』
「いい加減にしろよ、リン。寂しいのはわかるけど、それじゃあラタルはいつまでも外の世界に出られねーだろ」
『わか…ってる…けど…!』
キルアに諌められ、どうしようもない寂しさに俯いてしまうリン。
メイカが心配そうに頭を撫でる。
その時、ひらめきのいいゴンが、とても素敵な提案をした。
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