最終話・始まり
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結婚する前から住んでいた借家を出て、新しい町で大きな家を買ったクラピカとリン。
子供達が走り回るにも充分の広さだ。
大人達が席について乾杯をする時にも、ちびっこ達は構わず暴れまくっている。
「こらぁ、リルル!!座りなさぁい!!」
『いいよいいよ、メイカ!今日だけは特別って事で!』
「しっかしラタルはデカくなったなぁ~」
「レオリオは老けたな」
「あははっ!!ホントにクラピカさんそっくりですね!!」
「…今のタイミングでそれはどうだろう」
「そういえばグレスさんの赤ちゃんは宝石ついてなかったの?」
「ええ、全く。どうやらヤヌに似たようで」
やはりジュエリストの約束が終わったからか、ラタルを最後に宝石を持った子供が生まれる事はなかった。
「しかしラタルの奴、念まで使いこなせるのにまだハンター試験は受けないのか?」
レオリオの質問に、ラタルは待ってましたとばかりにリンをジトっと睨む。
「本人は受けたがっているが、リンが反対している」
『当たり前でしょ!?ラタルはまだ子供だし!!』
「母さんよりは大人だ。いざとなったら黙って行くからいい」
つーん!とそっぽを向くラタル。
『可愛いのに可愛くなぁい!!』
テーブルを埋め尽くす料理の山に手を出しながら、皆の酒も順調に進んでいく。
リンとグレスは相変わらず最強で、リンはワインを五本空けても余裕だった。
両親の位置からテーブルを挟んだ隅の方で、コソコソと隠れるようにしているラタルに、レオリオが気付いた。
「ん?つーかラタルまで飲んでねぇか?」
「しっ。…好きなんだ、テキーラ」
「テキーラ!?13歳が!?」
「声がでかい!!(父さんにバレるだろーがっ!)」
と、言うが早いか、クラピカがラタルの手からグラスを素早く奪い取った。
「お前って奴は!!そういう所はリンそっくりだな!」
冷ややかなクラピカの視線に、ラタルは思わず肩を竦める。
「ご…ごめんなさい」
しかもあっさり謝ったり。
『クラピカ~~~酔っちゃった!!なんちって~~』
ぴったりとクラピカの肩にくっつくリン。
気付けば、リン一人でいつの間にか焼酎やテキーラまで空けている。
「流石に出来上がってんな」
キルアが「あ~あ」と、他人事のように軽く漏らした。
「え!!つまんなぁい!!復活させよーよ!!」
「でもこれ以上飲んだら明日キツイよね。俺が寝室に運んでこよっか?」
ゴンが心配そうに言った。
「いや…しかし…」
クラピカが言い淀んでいると、キルアがおもむろに席を立った。
「俺が連れて行くわ」
「いや、私が行く」
そこだけはキッパリ断って、クラピカはさっさとリンを二階の寝室に運んで行った。
一同は気まずそうに目を泳がせ、キルアは軽く溜め息を吐く。
「キルアは母さんが好きなのか?」
ラタルからのド直球な質問。
一瞬にしてその場の空気が凍りつく。
「そう見える?」
キルアは意外にも冷静な反応。
「大事にしてるのはわかる。以前母さんの事好きだったのも知ってる」
「リンが言ってたのか?」
「ああ。皆の事なら多分全部聞いてる。ゴンも好きなんだろう?レオリオがドッキリで母さんに告白した事だって知ってるぞ。
俺から見ればヒソカだって母さんに惚れているように思えるし…あんなだけど実はもてるんだな」
意外だと言わんばかりに首を傾けるラタルに、キルアが尋ね返した。
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