君を想う
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クロロとの電話を切った後、暫くして部屋に入ってきたクラピカが、ベットの上で泣いているリンを見つけた。
『あっ…う…ご、ごめんなさ……』
しまったと思い、慌てて涙を拭うがもう遅い。
しっかり目が合ってしまった。
「謝るな」
若干不機嫌そうに眉を潜めたが、それも一瞬の事だった。
クラピカは、ベットの上に座り込んでいるリンの隣りに腰掛け、その寂しげに震える肩を抱いた。
「何か言われたのか?」
旅団の団長と話をしていたのに、何故かそう尋ねる声は信じられない程穏やかだ。
『…いや…ごめ…私、クラピカが大事なのに……
クロロにもう会わないって言われて…二度と会えないんだと思うと、悲しくて……ご、ごめんなさ…私……』
裏切りだよね
クラピカの全てを奪った人なのに…
私、クロロを憎む事ができなかった
知れば知る程…
クロロという人間に、好意すら持った
『クラピカ…ごめんなさい…』
泣きながら謝るリンを、クラピカはそっと自分の胸に寄りかからせた。
「謝る必要はない。お前に私の気持ちを押し付ける気はないよ。
お前が奴に大事にされていたのは事実だ。憎めなくて当然だ」
こと蜘蛛が関わるとあんなに自身を見失っていたクラピカが、彼に対してこんな寛大な言葉を出すなんて…
リンはただただ涙を流した。
クラピカの優しさが嬉しくて、クロロとの本当の別れが淋しくて…
それでも、彼も私も生きていく
明日も変わらず、道はあるんだ
私は今、とても幸せだよ
クロロに家族も家も仲間も全て奪われたクラピカ。
今、その心の憎しみの思いは消えかけていた。
クロロという人物が確かに変わった事。
そして、目の前にリンとラタルが生きているという事実。
クラピカとクロロ。
リンへの愛が、二人の全てを変えたのだった────
~続く~