君を想う
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ゲートまで見送り、三人が乗った飛行機が飛び発つのを見届けてから帰ってきた。
無事に家に着き、いつもと変わらない部屋の景色や匂いにホゥッと溜め息を漏らすリン。
『…帰って来れた』
不思議な気持ちが胸に湧き上がる。
もしもの未来だったら…私は今ここにはいない
…帰って来れた
この子と一緒に
『クラピカ…』
「おかえり」
振り返ると、眠るラタルを抱いたクラピカが、穏やかに微笑んでいる。
開け放った玄関のドアから、高く昇った午後の光が射し込み、逆光で眩しく輝く二人の姿。
リンは涙が出た。
『こんなに…幸せでいいのかな…?』
「悪いわけないだろう。お前が今までどれだけ闘って来たか…皆知っている」
妊娠中から買っておいたベビーベットに、ラタルをそっと寝かせて、クラピカはリンに手を差しのべた。
「おいで。お前の事も抱かせてくれ」
『クラピカ…』
ゆっくり歩み寄り、自分も手を差し出せば、引き寄せられて彼の腕の中に収まる。
瞳を閉じてその温もりを噛み締め、力を込めて抱き締め合う。
「もう何もいらないな。これだけでいい」
リンがいて、ラタルがいて
こうして三人で生きていける
他に何を望む事がある?
……何も
『私、生きられてよかった…クラピカと離れずに済んで…本当によかった…!!』
泣いてばかりだけど、それでもこの幸せの涙は止まらない。
宝石を失う代わりに得た未来は、あまりに大きくて尊いものだった。
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