君を想う
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一週間の入院の間、レオリオとメイカとグレスは毎日来てくれた。
『今日ね、笑ったんだよ!しかも声出してさ!』
「うっそ~!何して笑わせたの!?今笑わせてよ!!」
『何もしてないよ!多分夢見たんじゃない?寝ながらだったし』
「こんな生まれたばっかの赤ん坊が何の夢見るんだろうな?」
レオリオが不思議そうにラタルの顔を覗き込む。
「リンのお腹にいた頃にリンが笑ったりした時は同じように嬉しかったのだろう」
「じゃあそれを思い出してんのか?」
『え~~~可愛い~~~!!』
リンは腕の中のラタルをより一層の力を込めて抱き締めた。
『可愛いっ!!可愛いすぎっ!!』
「おい!そんなに強く抱いてはラタルが潰れる!」
「はは…しかし二人揃っての親バカは確定だな」
「あははっ!間違いないですね!」
「予想通りだわね!」
側で呆れながら笑う三人。
キルアとゴンは心底名残惜しそうに、残してきた修行再開の為、ラタルが生まれたその日に帰って行った。
一ヶ月後、必ずヒソカに勝って会いに来ると約束して。
「ゴンくん、すっごく嬉しそうだったわね。きっと子供が好きなのね」
メイカは可愛い二人がすっかりお気に入り。
「あいつは動物にも好かれるしな。きっとラタルの遊び相手も上手だろう」
「ヒソカと対決か…マジで勝ってくりゃいいけどな」
『大丈夫だよ!!ゴンなら!!』
うん、信じてる
無理矢理じゃなくて本当に
そして一ヶ月後は
日が晴れたら、私はあの島へ行く
クラピカとグレスとラタルと四人で…
そして退院の日、一週間も滞在してくれたレオリオとメイカとグレスを見送りに、病院を出たその足で空港までやって来た。
ラタルを後部座席のチャイルドシートに乗せ、その隣りにリンが乗る。
『あ~あ、これからはクラピカの隣りには乗れないのか~』
向かう途中の車内で、少し寂しそうにリンがそんな事をぼやいていた。
「わざわざ生まれたばっかのラタル連れて見送りなんかよかったのによ~」
なんて言いながら、嬉しそうにクラピカの腕の中のラタルをあやすレオリオ。
意外と子供は好きらしい。
「ふふ。これなら自分の子供ができても安心ね」
メイカの言葉にレオリオが思わず赤面しながら喚いている。
「リンさん…」
『うん、一ヶ月後。迎えに行くから一緒に』
グレスは少し心配そうな表情。
「本当に大丈夫ですか?ラタルくんはまだ小さいのに、何かあったら…」
『大丈夫、何かありそうな時は引き返すから。それに……』
何もない気がする
だって、皆が手招きして呼んでたんだもん
本当に優しい笑顔で
───大丈夫、きっと
私達に伝えたい事があるんだよね?
私にはそれを知る義務がある
最後の…"女神"らしいから
「…わかりました。じゃあ一ヶ月後。
16年ぶりに行くあの島、楽しみにしてます」
グレスはようやく笑った。
不安もあるが、やはり故郷が懐かしい事には違いない。
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