痛い痛い痛い!!
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夢の中、リンはまた宇宙の中で漂っていた。
今度は始めから目の前に彼女がいた。
凛々しい顔付きの美しい少女。
歳はリンと同じ位だろうか。
踵まで届きそうな長い金色の髪。
深い色の碧眼。
華やかなドレスを身に纏い、微笑みながらリンを見つめている。
「…貴女でようやく最後。頑張ったわね」
彼女の言葉にリンは頷く。
『長かった。とても』
そう。私で最後
これでようやく赦される
全てが終わる
遠い昔の……約束
「果たされる前に朽ちるかと。
彼らは忘れていなかった。最後の望みを託して、貴女を生かした」
そして運命に運ばれ、彼と出会い、新たな命を宿した。
『…私を連れていくの?』
一番不安に思った事を、リンは彼女に尋ねた。
彼女は微笑みながら問い掛けを返す。
「どうしたい?」
『生きたい』
「このまま私と逝く事もできるのよ。貴女を大切に想う皆もいるのよ」
『いい。私は残る』
「約束の先を見てみたくはない?」
『想像つくからいい』
「どうなったと思う?」
『…貴女は彼と、今でも一緒にいる。だって幸せそうだもん』
リンは確信を持って答えた。
彼女は一度瞳を閉じ、またすぐに目を開けると、どこか寂しげに微笑んだ。
そして、目の前まで来てそっとリンを抱き締めた。
「さようなら。約束…守ってくれてありがとう───ジュエリスト」
そう
それは遥か昔
私が彼と交した約束
「────リン」
『…………』
お腹の痛みで目を覚まし、リンはゆっくりと目の前の主を見た。
先程と同じ景色と、同じように傍にいるクラピカ。
心配そうな顔でリンを見つめている。
しかしリンが目を開けたと同時に、安堵の溜め息を漏らした。
「…リン…よかった。もう目を覚まさないかと…」
『ん…ごめんね、クラピカ…』
泣き出しそうな声でリンの手を握り締めるクラピカに、リンも応えるように手を添えた。
そして、ふと枕の隣りに置かれた黒曜石を見つけ、ハッとした。
『……な、何、これ……』
まさか……!?
リンはすぐに察し、慌てて自分の胸を確認した。
『ぎゃっ!!ない!!』
思わず驚愕の叫び声を上げる。
「やはり自覚はなかったのか。お前が痛みで気を失った時、これが取れていたんだ」
『なななななんで!?嘘??これだけ!?
てゆーか胸、まっさら!穴も空いてない!血も出てない!!』
まさにパニック。
クラピカは賑やかなその様子を見て心底救われた。
先程までリンが死ぬかも知れない、これで最期かも知れないと押し潰されそうな不安で一杯だったのに。
「…元気そうでよかった」
『ええ!?何が!?だって見てよコレ、取れちゃってるよ!!どーすんの、コレぇ!?』
有り得ない事態に、リンはなかなか静まらない。
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