サプライズ
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メイカとレオリオが来る!!
会いたいって強く願ったらホントに来てくれた!
今日はなんていい日だろう!!
リンは手を合わせて形ない誰かに感謝した。
「よかったな。二人に会うのは七ヶ月振りか」
空港に向かう車の中、落ち着かないリンに向かってクラピカが言葉をかける。
『うん、すっごく嬉しい!!今日みたく会いたいと思った日に来てくれるなんて!
もしかしたらグレスとヤヌさんも今頃こっちに来る準備してたりして!』
冗談半分、本気半分で言いながら、リンは笑った。
喜びを胸一杯に抱えてレオリオとメイカの元へ向かう。
運転するクラピカといつものように手を繋ぎ、その温もりを感じていると、なんだか心地好すぎて眠くなってくる。
「着いたら起こすから寝ているといい」
察しのいいクラピカはすぐに気付き、後部座席に積んでいた毛布をリンに渡す。
『うん……ごめん……』
言い終わるなり、リンはすぐに眠りに落ちた。
車の音やラジオの声が遠ざかり、気付けば不思議な夢の空間の中にいた。
暗くて景色は何も見えない。
幾億もの小さな光の粒が、足元から頭上にかけて一面に輝いている。
リンは一人、広大な宇宙の中にいた。
どこからか綺麗な歌が聞こえる。
うんと美しい歌声。女の人だ。
聞いた事ない歌。でも何故か切なくなるほど懐かしい。
それは確かにリンの心に、記憶に、魂に語りかけてくるものだった。
暫く耳を澄ませて、ただ終わらない歌に聴き入っていた。
そのうち歌声は止み、誰かの話す声に変わった。
広い宇宙の真ん中で、ふとリンの前に現れた誰か。
よく見えないが女性である事は間違いない。
───貴女が………
───最後の………
彼女はこちらに向かって何かを伝えようとしている。
『……あなた誰?……よく聞こえない……見えない……』
リンはフワフワと漂いながら、遠くに見えるその女性に何とか辿り着こうとする。
───貴女が……最後の…………
やっと……終わりが来たね………
ありがとう………
さようなら…………
突然射し込んだ光を逆光に背負い、彼女の顔がよく見えない。
けれど、最後に微かに微笑んだ気がした。
そして途端に、大人しく瞬いていた無数の星々が、去っていく彼女に向かって吸い込まれていった。
『わぁ……綺麗………』
パチン!
突然、自分の体の中で何かが弾けた。
リアルに。
その衝撃でリンはハッと目を覚ます。
「!!
リン!!」
クラピカが異常を目にしてすぐに路肩に車を停めた。
『……あ……嘘……』
熱いお湯を掛けられたかのように、下半身がびっしょりだ。
頭が真っ白になり、ただ茫然と自分の足元を見るばかり。
クラピカは自分のコートを脱いでリンの足を拭く。
「大丈夫だ。すぐに病院へ行こう」
慌てる事なく冷静に車を引き返し、病院とレオリオに手際よく連絡をするクラピカ。
リンはいつまでも自分の濡れた下半身を見つめ、ようやく何が起きたのかを理解した。
ああ……もしかしてこれって……
破水…………?
~続く~