会いたいの!!
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前向きに生きると決めて三ヶ月
私は妊娠9ヶ月になった
『ゴンと会いたい!キルアと会いたい!レオリオとメイカとグレスとヤヌさん(彼女)とセンリツと会いたい~~~~~!!!!!』
リンがとうとう爆発し、そう喚きたてたのは、クロロとの秘密(バレた)の逢瀬から三ヶ月経ったある日の事。
ほぼ謹慎情態で誰にも会わず、どこにも行かず、買い物と検診以外の外出を禁じられて過ごした寂しさがピークに達した頃だった。
「センリツなら呼べばいつでも来てくれる。キルアとゴンも」
『そんな事いってセンリツだっていつ連絡しても暇がないし、キルアとゴンだってまた得体の知れない敵と戦ってるみたいでさ!誰も構ってくんないんだもん!!』
リンは仕事から帰ってきたばかりのクラピカを労うのも忘れ、ダダをこねた。
クラピカは自分で用意したココアに口をつけた後、ふぅっと小さな溜め息を漏らした。
『溜め息厳禁!!私だって仕事したい!!クラピカにただ養われてるだけのお荷物みたいな生活、もう嫌だぁ!!』
クラピカを守ると誓ったのに、実際は守られてばかりで辛い。
迷惑なんじゃないかと不安になる。
これなら自由に動き回って身を張って守った方が楽だ。
リンは無駄に男前な矜持を持っていた。
「お前の気持ちはわかるが、仕方ないだろう。だいたい私にとっては、お前達を養う事が今は一番の生き甲斐であり、責任なんだ。
何か不満があるか」
クラピカは面倒そうに眉を寄せて言い放った。
クラピカの気持ちは確かに嬉しいよ!
そりゃもう私を養うのが生き甲斐なんて言われたら飛び上がる勢いですよ!
でも私はもともとジッとしているのが性に合わない
無理難題だけど飛んで跳ねたりがしたいわけ
皆にも会いたいわけ!
『そうこうしてる間に産まれちゃうじゃん!』
「産まれたら皆見舞いに来てくれるだろう」
しれっと言われた。
正直クラピカからしてみれば、勝手ばかりを重ねてこられて本当は監禁したいくらい心配だ。
それを、例えるならば先が見えない程長いリードで繋いでいる犬のように自由を許している。
ある種の信用ゼロなのに。
「わがままを言うな。体が大事な時期に」
『ストレスが一番悪いって先生言ってたしぃ!!』
「しょっしゅう出掛けているではないか。私がいない間に余計な買い物(しかも重たい)までして」
『街に出たら何か買わなきゃ手持ち無沙汰なんだもん!』
「何を馬鹿な」
『とにかく皆と会いたい!会いに連れてってよ~~~~!』
珍しく酷いダダのこね方。
これは引きそうにない。
しかし一応手は尽くしてみる。
「映画でも観に行くか。お前の好きなレストランにも寄ろう。帰りはケーキも好きなだけ買っていい」
甘い誘惑を掲げて取引きを試みる。
『いやぁぁだぁぁ!!!キルアとゴンに会いに行くのぉ~~~!!!』
今度は名指しできた。
遠方の者は諦めたらしい。
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