光を探す
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「心配はいらない。もしお前がいなくなったとしても、この子をちゃんと育てていく。
仲間に手を貸してもらいながら、天真爛漫なお前のような子供になるように」
『いやっ…だってそしたらクラピカ…何の自由もなくなるよ!師匠みたく子供の為につきっきりになって…』
「そうだな。師匠はきっと幸せだったろう。私もそうやって生きる。何も怖くはない」
先程までとは違い、落ち着いた声。
抱き締めていた体を少し離し、リンの涙を拭ってやった。
ほんの少し微笑みを見せたかと思うと、瞳を伏せて唇を噛み締めた。
今まで言ったどの想いよりも強い、本当の気持ちは─────
「…私を置いていくな、リン。死ぬな」
リンは濡れた瞳を見開き、クラピカを見上げた。
それはちゃんとクラピカなのに、まるで子供のようだった。
正直に、ただ純粋に。
泣き出しそうな、孤独で小さな子供のようだった―――
『死なない!絶対…今度は本気で誓うから…』
リンは強い想いを口にした。
もう何も考えない。クラピカを一番守れる方法
私のいい所は前向きな所じゃないか!
生きる事だけ、考えるよ!
「お前がいるから私は私でいられるんだ。今までも、この先もずっと」
出会った日から
そう、痛い程に。
リンの瞳を見つめて小さく微笑み、クラピカはそっと口付けた。
ああ…覚えてる
あの時と同じだ
震える手、震える唇……
泣いてる私に戸惑いながら、それでも優しいキスをくれたよね
まるで昨日の事のように思い出す
あの日、私はクラピカの幸せの為だけに生きると誓ったんだ
最終試験で、クラピカが初めてキスをしてくれた日───
『…私は貴方の為に生まれてきて貴方の為に生きてる。だから、貴方が死ぬまで、死ねないんだった』
守り続けなきゃ意味がない
「…ああ。そうしてくれ。私もお前達の為に生きていく」
そう言って抱き締め会う腕が、一層温かく感じた。
「お前にそこまでさせてしまった事…すまないと思っている」
『勝手にした事だよ。もう二度と隠し事はしない』
未来を信じる事
信じて進む事
今更だけど、決めたから
師匠、私はまだ死ねない
残していけるものなど何もない事に気付いたから────
~続く~