光を探す
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
本当はわかっている
リンがどんな想いで奴にそう頼んだのか
全ては私の為
私を想うからこそ
”失う位なら忘れたい”
……例え私が本気でそう言ったとしても
私がお前と出会った事を忘れて
どう幸せになると?
そして、その大切なものをよりによって奴に渡さなければならないとは
本当に
お前は残酷だな、リン
クラピカは今までにない位に、冷たい瞳でリンを見つめた。
噛み締めた唇からは少しの血が滲んでいる。
リンはただ目を逸らせずに見つめ返すしかなかった。
私がクラピカを裏切った?いつの事?
訊くに訊けない…
あ…そっか
クロロと会った事
嘘をつく事や、隠し事や、心配かける事だって…
これは全てクラピカへの裏切り
そうだ。私は何度彼を裏切った?
でも全てはクラピカの幸せの為だと…
馬鹿…かな……
クラピカが一歩リンに歩み寄った。
リンの体がビクッと跳ねる。
ゆっくり、震えながら延ばされた手。
リンの頬に静かに添えられた。
「…お前を忘れる…か。凄い事だな。考えられない」
声まで震えている。
普段の彼とは別人のようだ。
リンは返す言葉もなく、立ちすくむしかない。
いつもと違うクラピカが、少し恐く感じた。
「お前をそうしたように…私の記憶も…
可能なのか?信じられない。こんなにお前を想う気持ちを、まるごと消せるものだろうか」
頬に添えられていた手が、リンの栗色の髪を撫でた。
その手を握りたかったが、体がまるで嘘のように動かなかった。
・