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リンの一敗は痛いものではあったが、二番手のゴンが爆弾魔に見事勝利し、三番手のクラピカの相手は、ただのはったりインチキな奴だったので、リンはとりあえず安堵した。
しかし、そのインチキ野郎の背中に彫られた蜘蛛の刺青を見て、クラピカの様子が変わった。
『!!目が…』
緋色……!!
『……綺麗……』
と思ったのは一瞬の事で、次に見せたクラピカの恐ろしいまでの敵への仕打ちに、皆ポカンと固まった。
「大した敵ではない事位、一目見た時からわかってはいたんだが、あの蜘蛛の刺青を見た瞬間、目の前が真っ赤になってしまって……」
普段から普通の蜘蛛を見ただけで逆上して人が変わるんだと、クラピカは落ち込みながら言った。
そして次のレオリオがジャンケン対決に敗北。
最後のキルアは、凶悪な殺人犯を相手に心臓を素手で抜き取り、握り潰すという所業を見せた。
『キルア何さっきの!!何者なのアンタ!?』
「キルアは暗殺一家のエリートなんだよ」
『え!!!聞いてないっ!!ゴンには言ったのに先に出会った私には話してくんなかった!!』
リンが悔しそうに声を荒らげながら言うと
「リンも秘密にしてたからおあいこだろ」
と言って笑った。
かくして、そんなこんなで無事闘技場から先に進み、最後はゴンのお手柄により、滑り台で楽しく地上に降りた。
リンは少し小さいがゴンの緑色の上着を借りていた。
普段から服がめくれたりして体が少しでも見えないように、リンは繋ぎの服を着ていた。
だから下のズボンの部分が下がってこないよう、ウエストでしっかり端切れを結んでいた。
「上と下がかなりアンバランスだな。替えの服ねーのかよ?」
キルアがジロジロとリンのスタイルを上から下から眺めて言った。
……ああ、なんか服とかこだわりそうだもんね、キルアって
『飛行船にバック丸ごと忘れた』
「そーいや最初に持ってたバックがねぇ!」
今度はレオリオに爆笑される始末。
「普通、自分の荷物忘れるか?バカだなー」
みんな、はははっと笑った。
リンはそんな何気無いやりとりをしながら、この仲間達とずっとずっと一緒にいたいと思った。
仲間の存在の、なんと有難い事か。
今日、私は初めて本当に本当の仲間ができた気がする
この体は一生抱えなきゃならないリスクでしかなかったのに
みんなは大丈夫だよって、綺麗だって、信用しろって…
全部まるごと受け入れてくれた
私にとっては、それは普通じゃなかったんだよ
当たり前じゃないんだよ
私はみんなが大好きだよ…
四次試験も、みんなで通過できますように───
それは、祈りたくなるほど切なる願いだった。
~続く~