5ヶ月ぶり
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静かに頭を抱え、クロロは無言で無意味に紅茶をかき混ぜる。
何と言うべきかもわからず、どこかぐったりしているように見える。
『…いい?話続けて』
リンは遠慮がちに尋ねた。
「…ああ。ひとまず話は聞く」
かき混ぜたスプーンをカップに放置し、クロロは椅子の背もたれに体を預けた。
『それでね、私、自分にもしもの事があった時の為に色々考えたんだ。
子供は無事に産まれたとしても私がそうでなかった時…クラピカ一人に苦労させちゃう事になる。
そうならない為に私はたった一人の同族にお願いしてあるの。私が死んだら産まれた子供を育てて欲しいって』
そう話しながら、リンは自分のバックから銀行の通帳を取り出し、クロロの前に差し出した。
『クロロにはタダでお願いするわけにいかないから、少ないけど私がノストラードで働いて貯めたお金、全額入ってる』
「…俺は高いぞ?まぁ、内容にもよるが」
『あ、でも結構入ってるかも。生活費は全部クラピカが出してたし。マフィアって給料日とかないけど出来高でさ、私って結構頼られてたんだよ!』
リンは自慢げに通帳を開いてみせる。
『あ、暗証番号は…』
「頼み事とはなんだ?そっちを先に言え」
差し出された通帳を指で弾くクロロ。
猶予を与えず追及され、リンは暗く瞳に陰を落とし、唇を噛みしめた。
最後の最後まで、口にするのに覚悟が必要で…
心が引き裂かれそうだった。
でももう決めた事
あの大切な人の心は、私が守ってみせる
リンは一瞬だけ閉じた瞳を、ゆっくり開いた。
『クロロ…もしも私が死んだら……
クラピカから私の記憶……消して欲しい』
~続く~