5ヶ月ぶり
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
暫く全員で集まっての仕事がない為、幻影旅団のアジトはガランとしていた。
そこに一人の女性がやって来て、瓦礫の上で顔を伏せ座っている男に話しかけた。
「わざわざ呼び出して何の用?……シャル」
彼女は旅団のメンバーで、その名をマチ。
念を糸に変える変化系能力者で、戦闘能力も高い実力者。
勘も鋭く、クロロからの信頼も厚い。
「…実はさ…俺の好きなコ、死ぬかも知れないんだ…」
「…相談ってまた女の事?」
マチは腕組して不機嫌そうにシャルを睨みつけた。
「あんた勘違いしてない?あたしも暇じゃないんだけど」
「俺さ…リンをこの手で殺す事なんて平気だと思ってた」
マチの不満などお構い無しに、シャルは言葉を続ける。
「どうせ他の男のものなんだし、殺ろうと思えばいつでも殺れると…
好きだけど、それとこれは別だって…馬鹿だろ?
あのコが死ぬかも知れないって聞いただけで心臓が痛くてさ…息、できないくらい…」
シャルは顔を伏せたまま膝を抱えてうずくまった。
マチはシャルの側へ歩み寄り、目の前で足を止めた。
「本当に馬鹿だな。好きな相手を殺せるわけないだろ。
…あたしだって絶対に団長は殺せない」
マチの言葉に、シャルはプッと吹き出した。
「突然何言うかと思えば…俺なんかに話してよかったの?」
「別に隠す気はないよ」
マチはいつでも強気。
凛としていて誇り高い。
「泣くな。ウザイから」
「はは……酷いなぁ、相変わらず」
顔を伏せていたシャルの涙に、マチはとっくに気付いていた。
クラピカが帰って来る前に電話しなきゃ…
ああ…でも緊張する
まずは何て言おうか?
電話じゃなくて、どうせ会って渡さなきゃなんない物もある
リンはごった返したままの台所に座り込み、痛む胸を擦りながら携帯の液晶を見つめていた。
腹を決めろ!!
全てはクラピカの為!!
そして発信ボタンに手をかけるのと、携帯がクラピカ専用の着信音を鳴らすのは、ほぼ同時だった。
~♪~♪~♪~♪~
『びゃっ!!』
驚きの余り手から踊り出た携帯を慌ててキャッチするリン。
まるで見ていたかのようなタイミングに、心臓はバクバクだ。
『も…もしもし…』
とりあえず声を落ち着かせ電話に出る。
「体はどうだ?」
『あ、うん、何ともないよ!すっごい元気!』
心配かけまいと、いつものようにまた嘘をつく。
「今日は遅くなりそうなのだが…キルアとゴンはまだいるのか?」
『用があるらしくてさっき帰ったよ。遅くなるの?何時位かな?』
「多分夜中になると思う。お前一人か…困ったな…」
クラピカが声を曇らせる。
『あ、大丈夫だよ!!今日は家で大人しく寝てるから!!心配しないで!』
「しかし…いや、すまない。今日はどうしても外せない仕事なんだ」
『わかった!!頑張ってね!!待ってるから!!』
「ああ。安静にしておくんだぞ」
クラピカの心配に元気な返事をして電話を切った。
───チャンス!!
クロロと約束をこぎつけるのは今日しかない!!
電話、かけるぞっ!!
・