可愛い二人
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散々買いまくった大きな荷物を、キルアとゴンは軽々と運んでくれた。
家に着き、冷蔵庫に入りきらない要冷の食品とにらめっこするリン。
「なぁ、俺たちそろそろ帰るけど大丈夫か?」
キルアとゴンが心配そうに、そして申し訳なさそうに帰る準備をしている。
『え、今日泊まってかないの?』
「ごめん、明日人と会う約束してるんだ」
『そんなぁ~…』
リンは非常に悲しそうに立ち尽くし、俯いてしまった。
嫌だ…すっごく久しぶりに会えたのにもうバイバイなんて…
いつも別れの時はダダをこねるリンだが、今日は無言で泣き出してしまった。
「なっ…泣くことねーだろ!?またすぐ来てやるから!!」
「リン、ごめん!いつも一人だから淋しいよね。ごめんね」
リンの涙を見るのは久々で、二人は慌ててフォローする。
『ううん、ごめん…なんか今日あんまり楽しかったから…離れたくなくて…』
ポロポロと涙を零し、リンはワンピースの裾をギュッと握りしめた。
そしてバッと顔を上げ、無理矢理笑顔を作って見せた。
『大丈夫、もうすぐクラピカ帰ってくるし!でもまたすぐに来てね!約束だよ!!』
元気よく二人に抱きつき、二人もリンを抱き締めてくれた。
心配かけちゃダメだよね
こんなに大事に想ってくれてるんだから…
何とか気持ちを整理し、二人を見送る事ができた。
二人も見えなくなるまで何度も振り返って手を振った。
後ろ髪が引かれる思いで、小さくなるリンをようやく振り切ったのだった。
二人の姿が見えなくなり、シンとなった家の中に独りで戻る。
無意識に漏れる溜め息。
まだごった返したままの冷蔵庫の前を片付ける。
『痛っ……』
独りになった途端、襲い来る例の痛み。
前回より少しはマシだが、やはり息が止まりそうな程痛い。
そうだ…
電話…早いうちにしておこう
いつ何があるかわからない
もしかしたらもう時間は残されていないのかも知れない……
リンはなんとかテーブルの上から携帯を取り、見つめたまま暫く悩んだ。
この電話をかけたらもう本当に最後になる気がする
自分の終わりが本当に訪れる気がする
でも、かけないまま何かあったら後悔してしまいそう
だから……
『クラピカ、ごめんね…』
とうとう意を決して、発信ボタンを押した。
繋がりますよーに!!
緊張しながらも祈るようにギュッと目を瞑る。
そして
「もしもし?リン?」
ツーコールで繋がり、不思議そうな声をくれた電話の相手。
『…すっごい久しぶりだね。シャルナーク』
リンが電話をかけたのは、数ヵ月前までノストラードの護衛団で一緒に働いていた幻影旅団の迷惑男、天使の顔した悪魔、シャルナークだった。
「今更どうしたの?珍しいな~」
シャルは嬉しい相手からの突然の電話に、とても機嫌が良さそうな声。
『うん、急にごめん。実は訊きたい事があって…』
「訊きたい事?何でもどーぞ?」
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