デスマッチ
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敵の拳はリンの顔面を捉える寸前で止まった。
「くっくっく…まずは一勝だな」
リンはそのまま動かない。
「リン!!」
クラピカは闘技場の真ん中に座り込んでいるリンの元へと駆け寄った。
リンは青い顔をしてカタカタと小さく震えている。
『どうしよう……私……体……みんなに見られ……』
激しく動揺し、混乱しているリンに、クラピカは自分の青い上着を着せて肩を抱いた。
「行こう。何よりお前が無事でよかった」
そのクラピカの腕の温もりと優しい言葉で、リンの心は幾分、落ち着きを取り戻した。
フラフラしながらやっと歩く状態のリンを支えながら、クラピカがみんなの元へ連れていく。
「おいおい大丈夫かよ!?怪我はなかったか!?」
「リン、俺のでよかったら服貸すから、ずっと来てていいよ!」
リンを気遣う言葉をかける仲間達。
「それにしてもすげーな、その体。引っ付けたんじゃないよな。生まれつき?」
キルアの言葉に、リンはビクッと体を揺らし
小さく頷いた後に
『誰にも……みんな誰にも言わないで……負けちゃってごめんなさい……』
と、震えながら言った。
そこにいた全員が顔を見合わせ、リンのただならぬ状態に息をのんだ。
「な……何だよ何だよ、らしくねーじゃねーかよ!俺らが仲間の秘密、誰に言うってんだよ」
「その体、秘密なんだ。綺麗なのになんかもったいないよね。自慢してもいい位だよ」
「つーか脅えすぎ!そんなに信用してないわけ?」
みんなは口々にリンに言った。
リンは目を見開いてみんなを見上げ、固まっている。
「我々は仲間だ。誰もお前を傷つけはしない。だから大丈夫だ」
リンの体の震えが、ゆっくりと鎮まっていく。
『そっ……か……。
そうだったね。私……バカじゃんね……』
みんなの優しさに、言葉に
不意に泣きそうになるのを堪えながら、リンは小さく笑った。
その笑顔を見た一同は、ようやくホッとしたのだった。
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