可愛い二人
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おい、大丈夫かよ!」
外でうずくまるリンを、今しがた目覚めたキルアが、たまたま見つけて飛んできた。
「リン!」
『…大丈夫、意識はあるよ。ただ眩暈がしただけ…』
「すっげー真っ青だぜ!
病院行くか?」
『いや、ホント大丈夫…もうおさまる。てゆーか心配かけてごめんね…』
「バカ、そんなんいいから部屋入るぞ。抱きかかえていい?」
『うん…お願いします』
キルアの方が若干遠慮しながら、リンの体を抱え部屋に入り、自分が寝ていたソファにゆっくりと下ろした。
「マジ大丈夫か?」
『うん…てゆーかキルアも逞しいよね。なんか…キルアにダッコされる日が来るとは…』
「青い顔で何言ってんだよ」
『キルアは顔赤い…』
「うっせーっ!」
不謹慎ながらも初めてリンを抱き、緊張していたキルア。
突っ込まれて更に赤くなる。
『ふふ…らしくないなぁ…』
「…………」
目を閉じて腕を額に宛て、微笑むリン。
そんな姿が何だか酷く儚く見えた。
キルアはリンの肩に頭を下ろし、ギュッと手を握った。
『…ん?何だよ~、甘えん坊だな』
「からかうな」
キルアの真剣な声に、リンは額の腕を下ろしてキルアを見遣る。
『キルア…?』
…怖い、本当に
クラピカに聞いた時からずっと怖かった
こいつが死ぬかも知れない
いなくなるかも知れない
子供が男だったら解決するんじゃなかったのかよ
何で倒れたりすんだよ…
リンの肩に顔を埋めたまま、震え出しそうな思いをただ押し込めた。
名前を呼ぶリンに、返事をする事さえできない。
そして
「死ぬな…」
消えそうな程小さな声で、キルアが言った。
ハッとするリン。
「死ぬな……絶対」
今にも泣き出しそうな声。
リンは顔を上げないキルアを強く抱き締めた。
『ごめんね、キルア…ごめんね…』
自分でも既に万が一を覚悟しているリンは、「大丈夫」の一言さえ言えなかった。
さっきまで逞しく頼もしかったキルアが、とても小さく感じた。
「お前がいなくなったらマジで厳しい…すっげー怖い」
『あはっ、ありがとう。やけに素直だね』
「もう後悔したくないし」
…うお…なんだかドキドキするよーな事ばっか言われるな
やっぱキルアも男の子だよな~
将来モテモテかも
ゴンも可愛い顔してるし二人してキャーキャー言われてたりして
見たいな
見れるかな…
『ドキドキするね』
「…うん」
二人はほんの少しの間、そうやって寄り添い合っていた。
とても温かい時間だった。
・