波
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目を閉じたまま眉をしかめ、少し苦しそうに唸った後、リンはゆっくり瞳を開いた。
『…う…?』
「リン!」
クラピカが直ぐ様、声を掛けてリンの手を握った。
キルアとゴンも駆け寄り、顔を覗き込む。
『……?あれ?私なんで寝て……?ここどこ?』
三人の顔を順に見た後、辺りをキョロキョロしながら体を起こそうとするリン。
「まだ寝ていろ」
クラピカが肩を支えてもう一度寝かせる。
「何も覚えてないのか?お前、食事の準備中にいきなり倒れたんだぜ」
『私が!?嘘!!じゃあもしかしてここ病院!?』
「そうだよ。クラピカの車で連れて来たんだ。大丈夫?痛いとことかない?」
『全然!え、ホントに私倒れたの!?料理、運びながら…ホント思いだせない!』
焦りながら必死に記憶を呼び覚まそうとするリン。
ない!わからない!
えっと!?確かシーザーサラダとオニオンスープとキノコグラタンと…作って…運んで…ない
運んでない!
でも倒れたのも記憶にない!
なんでいきなり!?
何が起こったの~!?
頭の中でぐるぐる考え、初めての事にショックと恐怖が襲ってくる。
『私、病気なの!?』
泣きそうな顔で問いかけるリンに、クラピカが穏やかな声で答えた。
「大丈夫だ。今診てもらっただけでは異常はないらしい。だがもう一度改めて検査を受けよう」
開いたままの胸ボタンを、気遣って閉めてやろうとするクラピカ。
その際、リンは自分の胸の宝石を見てビクッとした。
『…………』
皆もそのリンの様子を黙って見ている。
…旅行に行った時、ホテルの散歩コースで見たのと同じ色だ
クラピカにバレないよう必死に平静を装ったあの時……
でもあの時は痛みが引いたら色も元に戻ってたのに!
てっきり騒ぎ出すかと思ったら、存外冷静だった事に、クラピカはこれがリンにとって初めての事ではないのだと悟った。
「前はいつだったんだよ?」
キルアも察したらしい。
『前…は、クラピカと旅行に行った時…それからは全然なかった…』
自分でボタンを閉め、考え込んだ表情でシーツを握りしめる。
「何故その時に言わなかったんだ?」
『…ごめんなさい。すぐ治ったから大丈夫だと思って…』
胸元を掻き寄せながら、リンは青い顔で俯いた。
「じゃあ今回もすぐ治るかな?」
『…と思うけど…』
「気分は?」
『平気…なんともない…』
ゴンとキルアの問い掛けも虚ろに返すほど、リンは茫然としていて、だいぶショックを受けているのがわかる。
あれから何ともなかった
だから知られていないジュエリスト特有のつわりだったんだとばかり…
それに男の子だとわかってかなり安心していた
それがまさか、またこんな事に……
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