愛しい名前
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『そんじゃ私のね。てゆーかホント自信ないんだけど…』
リンは自分で読み上げるのに気が引けて、キルアに頼んだ。
「どれどれ?……ラット、リッチ、ナッツ、ルック、ハット……って、弱そーっ!!何だよ、この名前!?」
「なんか…どれもピョンピョンしてるね」
三人が揃ってリンの方を見る。
『やだっ!!そんな目で見ないでよっ!!だってそういう響き好きなんだもんっ!他に思いつかなかったし、別に私ので決まるなんて思ってないし!時間の無駄なんだから、もぉぉ終わりっ!!次っ!!』
やたらネガティブに締めくくり、リンは勝手に自己完結した。
何故か物凄く怒っているが、突っ込むと面倒そうなので流してあげる事に。
「よし、じゃあ今度こそクラピカの番だな!」
「私はひとつしか書いていない」
「いいから早く!」
キルアがクラピカの手から強引に紙を奪い取る。
そこに書かれていたのは────
「───ラタル?」
リンはキョトン顔。
ゴンはふむふむと頷いている。
「なんで??」
キルアからの質問に、クラピカからは意外な答えが返ってきた。
「遠い昔の、友の名だ」
友…クルタ族の……?
リンもゴンもキルアも、返す言葉がわからずに黙ってしまった。
「色々と考えてはみたが、今浮かんだのは結局これだけだった。他はいまいち気に入らなくてな」
少し申し訳なさそうにクラピカが言った。
「これに決める必要はない。とりあえず保留にしよう。暗くしてすまない」
『全然!いい名前じゃん、ラタル!』
リンが椅子から立ち上がって言うと、クラピカは微笑みながら
「ラタルはクルタの言葉で"幸福"を意味するのだ」と教えてくれた。
とりあえず名前の決定は保留にして、テーブルを片付けた。
『ねえ、二人は今日泊まっていけるんでしょ?』
冷蔵庫を漁りながら、背中で尋ねるリン。
「だからどこに寝るんだっつの」
『ベットにクラピカとキルアとゴンが寝て、私がソファーに寝ればいいじゃん』
「リンはお腹に赤ちゃんがいるんだからダメだよ!落ちちゃうかも知れないし」
『じゃあ私とクラピカとゴンがベットで』
「何だよ、そのチョイスは!嫌がらせか!」
ムキになるキルアに、ゴンが気を遣ってフォロー(のつもり)を入れる。
「じゃあ俺がソファーでいいよ!」
『だって。一緒に寝ようね、キルア!』
二人の無垢な笑顔が、キルアをピカーッと照らす。
「うっ……(眩しい!)」
「心配しなくても寝ようと思えばどこでも寝られるだろう」
クラピカも二人に泊まるよう促しているらしい。
「まぁ、グリードアイランドでかなり鍛えられたし、もともと椅子だろうが床だろうが平気だけどさ」
「ホント頑張ったもんね、ビスケにすごい訓練されて」
『じゃあ大丈夫じゃん!私はベット、後はみんな床!決まり!!』
凄い事を平気で言いのけ、呑気に夕食の準備を始めるリン。
「だそうだ」
「…まぁいいけど」
「ソファーは早い者勝ち?」
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