万に一つの未来
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リンの要望で、今日はキルアとゴンに会いに行く事にした。
電話はしょっちゅうしていたが、会うのは結婚式以来。
行くと決めた途端、リンは服選びの為にクローゼットをひっくり返し、慣れない化粧や髪結いを始めた。
「…またか」
『お願い!すぐ終わるから!』
…と言いながら、ヨークシンで皆に会いに行くとなった時は、準備に一時間以上待たされた。
クラピカは「やれやれ」とソファーに腰掛け、読みかけの本を広げた。
するとその時、珍しくインターホンが鳴り、鏡台で化粧に手間取っていたリンが勢いよく立ち上がった。
『絶対ゴンとキルアだ!!』
根拠のない断言に、クラピカは何故?と呆れながら、リンが向かった玄関の方を見た。
確認もせずにバターンとドアを開けると
「わ、びっくりした。
久しぶり!リン!」
「うわっ!腹でかくなってる!」
なんと本当にゴンとキルアだった。
『ぎゃあああ!!久しぶり~~~~!!会いたかったぁぁ!!!』
もの凄い勢いで飛びついて来るリンに、思わず避けそうになる二人だが、妊娠中のリンが転んで庭に突っ込んだらヤバイと思い、体を張って受け止めた。
「…ははは…予想通りだったね、キルア…」
「ったく!気を付けろよな、そんな腹なんだから」
そんなお叱りは聞いちゃいない。
リンはシッポを振って涙ながらに喜んでいた。
「久しぶりだな。丁度今からお前たちに会いに行こうとしていたところだっだ」
クラピカも玄関まで出迎えに来た。
「クラピカ!今日休みだったんだ!」
「サプライズで来たらコイツが泣いて喜ぶと思ってさ。留守の可能性低そうだったし」
『超嬉しい!!早く入って!!』
リンはキルアとゴンの腕を引き、家の中へいざなう。
二人は靴の雪を払って中へ入った。
キルアはあれからずっと例の件…つまりリンの体についての事が気になっていた。
視線を向けたクラピカは既にキルアを見ていて、目が合うと頷きながら微笑んだ。
その表情からキルアは、聞くまでもなくお腹の子供が男の子だったのだと理解した。
───よかった
これでリンはもう大丈夫なんだ
死ななくて済むんだ
今日は…それを確かめに来たんだ
キルアは瞳を閉じて、深い安堵を味わった。
『はいっ、キルア!寒かったでしょ!?』
キルアの目の前に熱いココアを差し出すリン。
「………」
キルアは受け取らずにリンの顔を見つめている。
『???どーかした!?』
「……元気そうだな。」
『え?うん、見ての通り!』
その返事を聞き、キルアはココアを受け取って食卓の椅子に腰掛けた。
『????』
わけもわからず、リンは自分のココアをすすった。
外はとてもいい天気。
昨日積もった雪も、既に溶け始めていた。
そしてこの日────
~続く~