似てる!!
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準備が整い、お腹にヒヤリとエコーを宛てられる。
既に今までのエコーとは画面に映る色から違う。
『わっ……』
声を上げ、思わず口を押さえるリン。
すごい…!粘土の人形みたい!
お腹の中に確かに息づく赤ちゃんの姿形がリアルに映される。
「ほぉら。これが顔です」
焦らしもせずに早々とメインに行き着く。
『あーっ!!可愛いっ!』
通りの良い声で叫びを上げるリン。
可愛い!!嘘!!
目は閉じてるけどキレ長で、鼻の形も整ってて……顎のラインとかも……
嘘みたいにクラピカそっくり!!
リンはまたしてもボロボロと泣き出した。
『…クラピカ…似てるね…!』
嬉しい…本当にクラピカの赤ちゃん、私のお腹の中にいるんだ
わかってはいたのに…
こんなに似てるなんて…
愛しすぎて、たまんないよ!!
クラピカもひたすら子供の映像を見つめていた。
一目見てすぐに自分に似ている事がわかった。
喜びと共に、今まで以上に実感が湧いてくる。
そして同時に大きな後悔が胸に広がった。
れは決して簡単に口にした言葉ではなかった。
リンを想い、失いたくないからこその苦渋の決断だった。
だけど言ったのだ。
確かにこの子の前で。
"女の子なら諦めてくれ"
…クラピカは心の中で何度も謝罪した。
すまなかった
もう二度とそんな事、口にしない
男だろうと女だろうと、こんなに愛しいお前がこうして私達のもとへ来てくれて
本当に心から嬉しい──────
「……ん?」
突然、先生が不可解な声を漏らした。
画面に顔を近付け、お腹に宛てたエコーを上下左右させながら何かを確かめている。
リンとクラピカは何があったのがわからず、顔を見合わせた。
すると先生はポンッと手を叩き、納得!のポーズを取った。
「あ~、そっかぁ。何かと思ったら。すっかり忘れてました」
「『???」』
一人で見つけた何かを一人で解決してしまった先生。
『な、なんかありました?』
たまらずリンが尋ねてみる。
すると先生はニッコリと笑顔をリンに向け、説明してくれた。
「よかったですね。貴女の一族の誇り、ちゃんと受け継いでくれてますよ。
石、持ってます」
『!!』
この子も体に宝石を…?
ジュエリストの血、ちゃんと継いでくれたんだ。
リンは瞬間、喜びと悲しみが同時に湧き上がり、言葉にならない気持ちになった。
今は世界にグレスと二人きりしかいない我が一族。
そこで歴史が潰える事なく、新たに受け継いだこの子が産まれてくる。
きっと天国の皆も喜んでいるだろう。
しかし、自分はこの宝石を持っていた事でいつ狙われるかわからない不安を抱え、師匠に厳しく鍛えられた。
夏も冬もなく胸のキッチリ閉じた長袖の繋ぎの服しか着れなかった。
師匠や他の人と違う事に苦しんだ。
バレれば殺される。
口をすっぱくして師匠に言われていた。
この子も同じ思いをするのか…………
リンは複雑な想いを抱え、エコーを宛てられている自分のお腹を、いや、子供を見た。
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