また会う日まで
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『てゆーかレオリオは?どこ行ったの?』
「案の定の二日酔いでまだ部屋よ。ゴハンいらないって」
メイカが不機嫌そうに顔を膨らませている。
「大変ね。今日の飛行機は大丈夫かしら?」
『えっ!!?レオリオとメイカ、今日帰っちゃうの!?』
センリツの何気ない一言に、リンはガタッと椅子から立ち上がり、向かいに座るメイカの方に身を乗り出した。
「あたしも帰りたくないんだけど、レオリオさんも勉強あるし、あたしも仕事始めたし…ごめんね、リンちゃん!」
『そぉんなぁ~!!グレスたちは!?』
「俺たちも午後の便で。店ありますし、彼女の父親が体調崩してまして」
グレスも非常に申し訳なさそうに言った。
『うう……寂しい……』
椅子に座り直して俯くリン。
隣りに座るクラピカが黙って頭を撫でる。
「んなヘコむなって!またいつでも会えるだろ!」
「そうだよ!また皆で会いに行こう!」
明るく励ましてくれるキルアとゴンに、リンもコクリと頷いた。
『そうだね!絶対会いに行く!今度はグレスの連絡先もわかってるし!!』
「いつでも来て下さい。待ってます!」
「あたしも!!待ってるからね、リンちゃん!みんな!」
そんな不確かな約束をして、その日皆は別れた。
飛行機に乗り込む四人は、最後まで振り返りながら名残惜しそうに帰って行った。
センリツも夜はノストラードに泊まりで護衛。
キルアとゴンも修業と仕事で忙しいらしい。
『昨日はあんなに賑やかだったのに、もう二人きりになっちゃったね』
「そうだな。でも皆のお陰でいい式になった」
『うん。すっごく…』
生涯忘れられない、素晴らしい日に………
……そして季節は移り変わり、結婚式から四ヶ月が過ぎた。
妊娠六ヶ月になり、リンのお腹も少し目立つようになってきた。
前日から泊まりがけで依頼の仕事に行っていたクラピカが、朝早く肩に雪を乗せて帰って来た。
『おかえりなさぁい!大変だったね!あ、雪降ってる!?』
「ああ、今車を降りたら丁度振り出して。暫く見ていたんだ」
『クラピカは冬が好きだもんね』
「故郷にもよく積もってたからな」
脱いだコートをリンに渡し、また窓の外の雪に魅入る。
暖をとるより大事らしい。
リンは熱いココアをいれ、黙って出窓の内側に置いた。
クラピカには白が似合う。
雪が似合う。
白銀の世界に、空を見上げて歩く姿を想像するのは容易なこと。
それほどに自然だ。
リンは、雪を静かに眺めるその繊細な横顔を見つめた。
『…今日、検診の日なんだ。午前中に行ってくるね』
「ああ、私も行くよ」
クラピカが手元のココアを口に運び、一口すすった。
『でも寝てないでしょ?』
「大丈夫だ。明日は休みを貰っているから帰って来てから寝る」
『やった!じゃあご飯出来てるから食べたら一緒に行こう!』
「そうだな」
リンは急いで食事の支度を始めた。
絶対歩いて行こ!
久しぶりにクラピカとお喋りしながら散歩するんだ!
雪の中を、手を繋ぎながら…
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