また会う日まで
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「ひっで~顔だな」
朝食の為に最上階のレストランへ向かう途中、エレベーターの前でキルアとゴンに出くわした。
『え、あ、おはよう!酷い顔って私の事?』
リンは自分の顔を触って確かめる。
「寝不足?すごいクマだよ!」
『うそ!あっ!?ホントだ!!』
乗り込んだエレベーターに設置された鏡を見て、映った自分の顔に思わずドン引く。
「顔を洗った時に見なかったのか?」
『あう…ボーッとしてて…』
実はクラピカにあんな事訊かれてろくに答えらんなかったし、気になって眠れなかったんだよね…
だってクラピカは本当に鋭い
隙を突かれると多分バレちゃうよ
誘導尋問されたらアウト
珍しく深く追求されなかったのも逆に少し怖い
てゆーかグレス…
ばらしたりしないよね!?
最上階へ着くなり、リンは誰より早くエレベーターを降りて、レストラン内にグレスの姿を探した。
そして出入り口から一番遠い窓際のテーブル席に、他の皆と一緒に座るグレスを見つけた。
『おはよう!!』
「あ、おはようございます」
少しびっくりした様子で、グレスも挨拶を返す。
「朝から元気ね、リン」
「おっはよ!リンちゃん!てゆっか、その顔…」
『バイキング、まだ取りに行かないの?グレス、一緒に行こうよ!』
「へっ?あ、…はい」
不自然ながら腕を引いて誘い、無理矢理連れていく。
後から入って来たクラピカも、当然その様子を見ていた。
グレスはリンに連れ出され、隅の飲み物コーナーまで引っ張られてきた。
「???
どうしたんですか?何か俺に用でも?」
ついでに婚約者の分もジュースを注ぎながら、グレスは不思議そうに尋ねた。
『ね、ねぇグレス。昨日の事、多分クラピカに何か訊かれると思うんだけど…』
「昨日…って、リンさんの頼み事?」
『そう!なにやらグレスが泣いてたの見てたらしいの。だから訊かれたら何とか誤魔化してね!』
リンは必死の形相でグレスに頼み込む。
「ああ…言うわけないですよ。言えないし…。
大丈夫、俺こう見えて嘘は上手なんです!任せて下さい!」
自慢にならない事を自慢しながら、グレスは笑顔で拳をグッと握ってみせた。
『ホント!?頼りになるなぁ!ありがとう!お願いねっ!』
リンは安心して顔を綻ばせた。
「リン」
気を抜いたところで、後方から名前を呼ばれて思わず体をこわばらせる。
ま…また聞かれてた…?
「いつまでもそこにいては他の者が飲み物を注げないぞ」
「あ、すみません。すぐに…」
クラピカの注意を素直にきいて、グレスは慌てて他へ移った。
『ごめん、今すぐ!』
リンもさっさと牛乳を注ぎ、その場を去った。
クラピカはリンの後ろ姿を神妙な面持ちで見つめる。
やはり何か企んでるのか…
果たしてそれはお前にとって、子供にとって、私にとって良い事なのか?
お前はいつも私の事を想いながら、私が望みもしない事をしようとする
私はいつも、それが怖い
だが何故か今回は
訊くことすらできない……
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