デスマッチ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
タワーに降ろされてから大分時間が経ち、リンたちはようやく下へ抜ける道を見つける事ができた。
図らずも選んだのは多数決の道。
意見や分かれ道をいちいち多数決で決めながら進み、辿りついたのは…
闘技場―――
『しかも一歩間違えば落ちちゃうぞ!』
「前置きなく会話を『しかも』から始めるヤツ初めて見た」
キルアが冷静に突っ込む。
底が見えないほど深い奈落を挟んだ向かい側には、手錠を嵌められ、顔を隠されてた人間が数人いる。
その中の一人が姿を露にし、ルールを説明した。
要は、彼らとそれぞれ一対一で対決しなければならないらしい。
人数は奇数。つまり勝ち数で引き分けはない。
負ければ出られず、試験はそこで終了だ。
『よっしゃ!んじゃ私から行くねっ』
やる気満々、リンは勢いよく手を挙げるが
「リンは最後でいい。その前にこちらが三勝すればお前には順番は回らない」
クラピカに一刀両断されてしまった。
「そうだな。んじゃまずは様子見がてら俺が行くぜ」
レオリオが張り切って一歩前に出る。
『ちょっと!舐めないで欲しいなぁ!伊達にクラピカを守る宣言してんじゃないんだよ!?』
言いながらすでに足は闘技場の方に進んでいた。
「待てリン!お前という奴はいつも……っ」
『大丈夫!寝てていーよ』
リンは振り返りもせずに手だけヒラヒラ振ってみせた。
相手の一番手として登場した大柄な男が、鍛えられた大きな声を張り上げた。
「勝負方法は自由だが、俺は相手が死ぬか参ったと言うまで闘う、デスマッチを提案する!」
『う…!…う~…ん…ま、まぁ、とりあえずやろう。やってみよう』
「リン、おい本当に大丈夫か!?」
レオリオは本気で心配しているようで、非常に慌てている。
嬉しいと言えば嬉しいが、もっと信用して欲しい。
『外野は黙ってて!
じゃ、行くぞおじさん!先手必勝ー!!』
ここぞとばかりにリンは自慢の超スピードで敵に向かっていった。
先に攻撃を仕掛け、声も出せない状態にしていたぶるつもりでいた敵は、出端をくじかれ一瞬たじろいだ。
しかし、すぐに気をとり直し、リンの初太刀は際どい所でかわされた。
そのまま何手かやり合ったが、決定打はなし。
リンの攻撃の半分以上は蹴りだった。
ゴツイ敵と対等以上に闘うリン……いや、戦局は押している方だ。
見守る一同は、意外すぎるリンの強さにア然としている。
このままなら、いける―――!
誰もがそう思った、その時。
いつも師匠に言われていたリンの弱点が出てしまった。
足技が得意なリンは、それがかわされた後の体勢の立て直しがやや遅いのだ。
一瞬の出来事。
紙一重のやり取りの中、そのリンの癖を見抜いた敵に、胸ぐらを掴まれた。
・