生きる意味
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朝が来た。
受験生たちは次々と目を覚まし、結局最後まで起きなかったのはリンだった。
「おいリン、もうすぐ三次試験の会場に着くってよ。起きろ」
『うぅ~ん…』
レオリオがリンの両腕を引っ張り、立ち上がらせてやるが……
リンは眉間にシワを刻み、立ったまま目を閉じている。
頭が重い
そういや寝てないなぁ……
私、八時間寝ないと調子出ないのに……
リンは不機嫌そうに壁に寄り掛かる。
てゆーか、あんなにハードだった昨日なのに、床に座って寝るってのはどーだよ!?
と、心の中で愚痴を吐き、リンは重い体を引きずる。
三次試験は、まず高いタワーの手摺もない屋上に下ろされた。
とりあえず、ここから下に降りる事が試験内容らしい。
リンはハァ……と溜め息を漏らす。
その様子にゴン、キルア、レオリオ、クラピカ、全員が気付いた。
出会って皆間もないが、リンのそんな暗い様子は初めて見たのだ。
「リン、大丈夫?疲れた?」
『ん…疲れた…』
気遣うようにゴンが尋ねると、素直すぎる程素直に答えるリン。
クラピカは胸が痛む。
『でも……リタイアはしないよ。ゴメンねゴン、大丈夫!』
ふいにリンの表情が変わる。
何もかも失ったリンの心を、今、尚も支えているものがあった。
クラピカは言ったよね
自分の誓い以上に尊ぶべきものはないと
私だってそうだ
貴方に拒絶されたって、
私には私の、自分で立てた誓いがあるんだよ
貴方を守る
いくら言ったって無駄だよ。私が勝手に決めたんだ
私は……何もなくなったけど……
これだけは貫き通すんだ
……いいよね?師匠
私の人生一番のワガママ……
許してね、クラピカ……
今の私にとって、それが生きる意味なんだ
静かに始まった三次試験。
波乱の予感は拭えない―――
~続く~