結婚式ー前編ー
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リンはクラピカに手を引かれ、拍手に囲まれながら、牧師の元へ向かった。
赤いバージンロードの上を、ゆっくり歩いていく。
大きな鐘の下に辿り着いた二人を、牧師は温かい微笑みで迎えた。
クラピカとリンは互いに見つめ合った後、前を向いて牧師の言葉を待った。
うっひゃあああ……
緊張する~~~!!
声、裏返りませんように!!
リンは高鳴る鼓動を何とか落ち着けようと深呼吸をする。
「──二人、互いを信じ、愛を信じて、よくここまで辿り着きましたね」
白い髭を長く伸ばしたその牧師様は、信じられないほど優しい声で言った。
皆は横一列に並び、静かにその様子を見守っている。
「これからもきっと様々な試練を神はお与えになるでしょう。
しかし、あなた方の深い絆をもってして、それらを乗り越えて行かねばなりません」
クラピカは繋いでいたリンの手を強く握った。
クラピカ……
試練、今までもあんなにあったのに、これからもたくさんあるんだね
でも、大丈夫だよね
二人一緒なら
リンはクラピカの横顔を見つめ、微笑んだ。
「良き時も、悪しき時も、病める時も、健やかなる時も、共に手を取り合い、助け合い、命ある限り互いを愛する事を誓いますか?」
二人は見つめ合い、どちらからともなく微かに頷き合った。
そして、声を揃えて答えた。
『「誓います』」
二人の誓いを聞いて、一同からは拍手が湧き起こった。
神様に誓います
みんなに誓います
クラピカに誓います
永遠に愛する事を
二人は微笑み合った。
たったひとつ、思い描いていた夢が叶った瞬間だった。
「それでは、指輪の交換をしてください」
牧師が目の前で指輪に祈りを込めた後、箱から取り出して、まずクラピカに渡した。
『え!!指輪の交換なんて聞いてないよ!?買っててくれたの!?』
リンが雰囲気を壊すほど大きな声で尋ねた。
後ろではメイカやキルアが笑いを堪えている。
クラピカは若干リンを睨んだ後、黙ってリンの左手を取り、薬指に指輪をはめた。
「おっ、左か。俺の国では右なんだが」
「しー!」
声をひそめる気遣いもないレオリオを、メイカが慌てて諌める。
リンは、はめられた指輪をまじまじと見つめて感動していた。
『きっれ~……』
邪魔にならない程度の小さなダイヤが埋め込まれた、プラチナのリング。
太陽に当たって殊更キラキラ光っている。
「リン、次はお前だぞ」
クラピカに囁かれ、牧師に差し出されていた指輪を慌てて受け取るリン。
そして、クラピカの左手薬指に、揃いの指輪をはめた。
ぎこちなく時間をかけながら。
「それでは誓いのキスを」
『!!』
きたぁ~!!!
リンは瞳を輝かせてクラピカを見つめた。
長くね!!
打ち合わせ通りにしてね!!
短いのはダメだよ!!
お願いねっっ!!
リンの真剣な眼差しから訴えられ、クラピカは一瞬怯んだが、ここで止まるわけにもいかずにとりあえずリンの肩に手をかける。
リンはキュッと固く目を閉じて待っている。
……おい
口まで尖らせて
こんな時にまで笑わせるな……
クラピカは笑いを堪えてリンの頬に手を添えた。
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