結婚式ー前編ー
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「おーいっ!レオリオ~メイカ~!!」
時間より早くチャペルの会場に着いていたゴンとキルアが、後から来たレオリオ達に気付いて駆け寄った。
「よっ!早ぇな。スーツ、決まってるじゃねーか」
「オッサンはいつもと変わんねーな」
相変わらずクールなキルアに反して、ゴンは殊更ソワソワしている。
「いよいよだね!センリツはリンの準備の手伝いに行ってるみたい!」
俺も早く見たいなぁと、かわいい事を零すゴンの頭に、レオリオがポンポンと手を置いた。
「そーか。どんな仕上がりか楽しみだな」
今日は青い空が輝く、雲ひとつない晴天。
草原に囲まれた緑色の小高い丘の上に、そのチャペルはあった。
坂を登って行くと風が涼しくなってきて、牧師が毎日手入れをしているという花畑が見えてくる。
季節は夏。
奥の林に入る手前には、たくさんの向日葵たちがそよそよと踊っている。
丘を登りきると、高台からの景色は素晴らしいもので、続く草原の向こう側に、中心街と海が見える。
パーティーを行う西洋レストランはチャペルをすぐ下った所にある。
晴れた日は外で景色を見ながらパーティーできるように、チャペルの目の前にもテーブルや椅子が並べてある。
「や~ん、いいなぁリンちゃん!こんな素敵な所で結婚式できるなんて!!」
「言っとくがこんな遠い所じゃ無理だぞ!わざわざ地元離れて挙げる気はねーからな!」
「あっちにもないかしら?こういう可愛い所」
二人の会話を聞きながら、キルアとゴンが驚いて顔を見合わせた。
「えー!レオリオとメイカ、結婚すんの!?」
「つーか付き合ってたのかよ!?」
二人からの問い掛けに、レオリオはバツが悪そうに頭を掻いている。
「うふふ~、最近付き合い出したのよ!ちょっと遠いけど二人も式、来てね!!」
「ばっ…結婚するなんて話はしてねーだろ!?」
「あんなに拒否ってたのに…やるな、オッサンも」
「あはは!うまくいくといいね!」
その頃、花嫁の準備は順調に進んでいた。
「…リン、とっても綺麗。きっと皆驚くわ。」
『えへへへ。そっかな~ありがと~!』
ドレスを頼んだ店のプランナーに化粧と髪のセットだけ頼み、着付けはセンリツに手伝ってもらった。
本来は式や披露宴まで助けてくれるプランナーの人には、仲間以外には見られたくない傷が体にあるのだと苦しい嘘をつき帰ってもらった。
準備を終え、フィッティングルームの大きな鏡の前に立つ。
『わ、違う人みたいだね』
映る自分はまるで別人。
以前、試着した時ともまた違う。
髪を結い上げ、綺麗に化粧もして摘みたての花のブーケを手に……
この姿なら、クラピカの隣りに並んでも恥ずかしくないかな?
見た目も釣り合い取れてるかな?
緊張するなぁ
「ふふ。相変わらず可愛い心音。貴女の心音を聞いてるとこっちまで幸せな気持ちになるわ」
その時、部屋の扉を丁寧なリズムでノックされた。
いつもの彼特有の上品な音。
「もうすぐ時間だが…準備はできたか?」
「大丈夫よ。入って」
センリツが答えると、遠慮がちにそっとドアが開いた。
『…どうも。こんなんなりました』
真っ先にリンの姿が目に入り、クラピカは一瞬だけ動きが止まった。
一度見た事もあるし覚悟はできていたのだが…
こないだ以上に更に綺麗なリンの姿に、またしても見とれてしまう。
しかしセンリツの手前、いつまでも惚けた顔をしてられないので、クラピカは気を取り直して部屋の中に入った。
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