式、前夜
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空港内のレストランで一緒に昼食を食べた後、レオリオとメイカは気を遣ってすぐに別行動をする事になった。
「今日はこれから街の観光にでも行ってくるわ!明日の10時にパレスガーデンのチャペルで!しっかりな、リン!」
「楽しみにしてるからね!」
二人は仲良く一緒に去って行った。
レオリオもなんだかんだでメイカに押されてまんざらでもない感じ。
『次はあの二人が結婚式かなぁ?えへへ』
「人の事よりまず明日の事だ。皆に振る舞うケーキは自分で作るのだろう?材料も買いに行かねば」
『うん!そーしまっす!』
明日はいよいよ結婚式本番!
クラピカとの永遠の誓い、みんなにちゃんと聞いてもらうんだ
ドレス着た姿、褒めてくれるかな?
気心知れた家族みたいな仲間ばっかりなのに、ちょっと緊張しちゃうのは何でだろう?
慣れないヒール引っ掛けて転ばないようにしなきゃね!
「少し緊張するな」
心の中を読まれたかと思うくらいタイミング良くクラピカが言った。
『クラピカでも緊張とかするの?』
「皆の前でお前にキスするのかと思うと」
『え、それが理由!?私は一番楽しみなのに!』
「レオリオがしつこくからかいそうだ」
『いいじゃん、見せつけてやれば!一瞬で終わる小鳥チューみたいなのは駄目だよ!!
せっかく一生に一度なんだから長いやつね!!んもぉ~ぶちゅーって!』
「いつも酸欠になる奴が何を言うか…」
呆れた笑いを零しながら、身振り手振りで大袈裟に表現するリンの頭を、クラピカはコツリと小突いた。
万端に準備を整え、リンとクラピカは自宅へ戻って来た。
いつものように二人で食事を作って食べ、それぞれにシャワーを浴び、クラピカは就寝前の読書、リンはケーキを作り始めた。
「せっかくシャワーを浴びたのに粉だらけだな」
『いいの。どうせ明日の朝また浴びるから!』
手際良く材料を量り、ふるいにかけ、カチャカチャ混ぜ合わせるリン。
来てくれる皆の為に心を込めたケーキを作る。
「何か手伝う事はないか?」
わざわざ本に栞を挟み、クラピカが台所へやって来た。
『珍しいね、クラピカお菓子作った事あるの?』
「いや、ない。だが洗い物位なら」
『あはは、いいよ。大丈夫だよ』
「二人の結婚式なのだ。私にもできる事はないか?」
『あとは焼くだけだから洗い物はその間にするよ!気持ちはすんごーく嬉しいけど旦那様は休んでて!』
型に入れたケーキをオーブンに入れ、リンはクラピカの背中を押してベットの方へと促した。
『さぁさ、明日も早いんだから寝てちょーだいよ!』
「どうせ横になっても眠れそうにない」
座らされたベットの上でリンを見上げながら、自分の隣りのスペースをポンポンと叩いた。
『?座れって事?』
返事の代わりに腕を引かれ、そこに腰を降ろさせられる。
『んも~、忙しいのに。なぁに?クラピカ』
当たり前のように重ねられた手が今更嬉しくて、ニヤニヤしながらもわざとらしく怒ってみる。
クラピカは何もかも見透かしたような笑みを浮かべて言った。
「明日はいよいよだな。少し話でもしようか」
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