式、前夜
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旅行から帰って3日が過ぎた。
結婚パーティーをするレストランやチャペルに行って打ち合わせをしたり、オプションで付いていたエステに行ったりと、やる事は沢山あった。
式まであと二日。
リンは緊張とワクワクで眠れない日が続いた。
『もうすぐだね!!もうすぐあのドレス着てみんなにお祝いしてもらえるんだね!!』
毎日同じ台詞を繰り返しながら、その日が来るのを心待ちにしているリン。
飛行機での発作を最後に、この数日間は全く痛みは現れなかった。
クラピカに連れられ、体の秘密を唯一明かしている医師の元へ行き、検査もした。
ヒソカにやられた時も、妊娠の確認の時も、世話になっている慣れた人物だ。
「以前レントゲンを撮った時には宝石はただ体に付着しているだけのように写ってました。根を張ったりはしていませんし、色の変化に妊娠との因果関係はあるとは言えません。
ジュエリストの患者は初めてですが、特有のつわりかも知れませんし…もう少し長く経過を見ながら検査していかないと…」
医師は説明しながら困ったように頭を掻いた。
クラピカは「よろしくお願いします」と言って、深く頭を下げた。
『明後日の式の時には何もないといいけど』
「皆には言っておくから具合が悪くなったらすぐに休め」
『はぁい。ありがとう!』
クラピカには未だに"発作"の事は知られていなかった。
リンは出産が無事に終わるまで隠し通すつもりでいた。
式の前日。
レオリオとメイカが、一日早く二人の様子を見にやって来た。
「よぉ!いよいよだな。俺も楽しみにしてたんだぜ~」
「やーん、リンちゃん!!マジおめでと~!!先越されちゃったし!」
空港のゲートを抜けて来るなり、メイカがリンに抱きついた。
『越されたも何も最初から結婚してたし!』
「あ、そうだったわね!
てゆーかあたしも絶対レオリオさんと結婚してやるんだから!!」
『ホント頑張って!!もしこの子が男の子でメイカの子が女の子なら結婚させようね!!そしたらうちら親戚だよ!!』
「きゃあっ!!それいいっ!!最高!!絶対そうしよっ!!」
二人の会話は妄想の世界へダイブして止まる事を知らない。
「待て待て待てーい!!俺とメイカは結婚するとは決まってねーぞ!?まして子供なんか」
「大丈夫、あたし昔バレーボールしてたんで、かなりの安産型なんです!!」
メイカが自信満々に胸をポンッと叩いてみせた。
「だそうだ。よかったな」
「冷静に何言ってんだ、テメーも!」
『メイカってば、もうレオリオ相手に緊張しなくなったんだ』
「んふっ!訓練したからね!いつまでも奥手じゃ彼を射止めらんないし?」
『あはははっ!かぁっこい~!!で、手応えは?』
「それがね」
「だぁ~っ!!やめいっ!!いい加減にしろっつの!」
レオリオが慌てて会話を遮る。
「何をうろたえているのだ。まさかお前…」
「何もねーよ!!誤解すんな!!」
「んふふふっ…何もねぇ~?」
…とりあえず「何か」あったらしいが内緒らしい。
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