ジュエリストの真実2
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グレスは意を決したように、重い唇をようやく開いた。
「ジュエリストの女神は…子を産んだ例がありません。
何故なら子を産めば…女神は死ぬと言われています」
膝の上でグッと握り締めた拳は、微かに震えている。
『……死ぬ?なんで???』
余りに突拍子もない話に、リンは呆けた顔。
クラピカは真剣な表情でグレスの話を聞いている。
胸騒ぎが止まらない。
「以前お会いした時に言いましたよね?ジュエリストの女神が一生を終えると、約束されたように次の女神が産まれると。
例えば女神自身が子を産めば、それは神の子です。我々凡人の子供よりも、その子が女神である可能性の方が高い。もし本当に胸に赤い宝石をつけた女の子なら…
一度に二人も女神が存在する事は有り得ません。神の加護と力を授かる事ができるのは一人だけ。
それは当然、次代を担う若き者でしょう。産んだ方は…死ぬんです」
グレスの話に、リンは尚もポカンと実感を得ない様子。
だって……
有り得ないよ。普通に考えて有り得ない
私が女神ってだけで信じられないのに
そんな話、どうやって信じろと?
『でも産んだ例がないならわかんないじゃん。全部憶測でしょ?』
「伝説です。でも我々はそれを信じて守ってきました。
我々の存在自体、伝説と言われているのです。本当だと…思っています」
『でも父親はジュエリストじゃないんだよ?子供には宝石ついてないかも知れないし…男の子かも知れない』
「それはそうですが…もし違ったら?
私が貴女に里の復興を申し出たのは二人きりでという意味ではありません。他の血を交えてもジュエリストの子供が産まれる可能性はあります!」
聞き入れようとしないリンに、グレスは必死になって訴えかけた。
『でもそんなん絶対嘘だよ!つまり私が産んだ子供がジュエリストの女の子で赤い宝石持ってたら私が死ぬかもって事でしょ!!??
あーりーえーなーいー!!!
ね!?クラピカ!!』
リンは隣りに座るクラピカに、軽いノリで相槌を求めた。
しかし、クラピカの真剣な横顔は、とてもそれに賛同してくれるような雰囲気ではなくて。
「…確かに普通に考えれば信じ難い事ではある。だが…もし本当なら?
本当に彼の言う通り、お前が子を産めば死ぬのなら…」
クラピカは言葉を詰まらせ、リンの瞳は一瞬にして表情を変える。
もし本当なら……
私……死ぬの……?
『死ぬって事は…この子を抱いてあげられないの?』
「!」
「…って、リンさん、死ぬかもしれないのに産むつもりですか!?」
グレスが椅子から立ち上がって、リンの方に身を乗り出した。
『産むか産まないかでは考えない。この子は産む。
でも…もし本当にこの子が女神なら…私、この子を抱っこする前に死んじゃうの?それとも少しの猶予はあるの?』
動揺しながらも、騒ぐ事はなく落ち着いている。
しかし、グレスの方が言葉を失い、茫然としていた。
「リン…」
『ねぇクラピカ…どうしよう…
私、この子を絶対抱きたいよ!』
リンはクラピカの腕にしがみついてそう叫んだ。
私の子供
クラピカとの可愛い赤ちゃん
見たい……
絶対、抱きたい……!!
クラピカは何も言えず、ただ黙って自分の腕にあるリンの手を強く握り締めた。
~続く~