ジュエリストの真実2
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『うん!!グレスと再会してからすぐプロポーズされてぇ…ふふふ…
あ、グレスは奥さんいるの?』
「あ、はい、まだ籍は入れてませんが婚約者はいます」
二人がそんな話をしているのを、店の奥から覗いていた女性に気が付き、リンは頭を下げた。
女性も慌てて深々と頭を下げる。
『もしかしてあの人?』
「はい。すみません、内向的なもので…」
『可愛い人じゃん!!よかったね!!』
「ええ…俺がこんな体だという秘密を知って、それでも一緒にいると言ってくれました。本当に…感謝してます」
グレスは胸に手をあて、瞳を閉じてそう言った。
よかった…
気掛かりだったグレスがこんなにしっかりして、幸せに生きててくれて…
本当によかった……
「リン、せっかくこうして偶然にも再会できたのだ。お前が訊きたがっていた両親の事を訊いてみればいい」
後ろからクラピカがリンの背中を軽く押し、促した。
『あ、そうだねっ!!
てゆーかね、聞いてグレス!私ね、ママになるんだよ!!お腹に赤ちゃんいるんだ!!』
嬉しそうに、自慢するように、リンが自分のお腹を擦ってみせた。
グレスならきっと喜んでくれる。
祝福してくれる。
そう思った。
……しかし……
「子供…できたんですか?貴方に……」
グレスの表情はみるみる暗くなり、張り詰めたものへと変わった。
「………?」
グレスの瞳が、クラピカに何かを訴える。
『どうしたの?何?』
「…少し…お話したい事があるんですが…よろしいですか?」
店番を婚約者の女性に頼み、グレスは二人を店の奥の自宅へと案内した。
グレスの神妙な面持ち。
クラピカは嫌な胸騒ぎを覚えた。
グレスは二人を自分の部屋へ招き入れ、二人掛けの小さなソファに座らせて、冷たい紅茶を出した。
そして向かいの椅子に自分も腰掛け、一息つく。
相変わらず、暗い面持ち。
『あの…で、話って何?』
痺れを切らして先に口を開いたリンに、俯いていたグレスはゆっくりと顔を上げた。
「……そういえば貴女も私に話があったとか?ご両親の事でしたっけ?」
『あ、うん。じゃあ先にいい?』
「どうぞ」
グレスの表情から少し緊張が解ける。
『私の両親の事覚えてる?二人がどんな人だったとか、顔とかも』
「昔の事ですが、女神を産んだその両親ですから覚えてますよ。
どんな人だとかはわかりませんが…そう、顔は貴女はお父上に似てらっしゃいます。お父上は長老の孫でした。
お母上は優しそうでとても綺麗な方でしたよ」
『グレスは喋った事ある?』
「お母上とは。まだ貴女がいない時には抱っこされた事もあります。
島で一番の美人で、本当に皆に大切にされてました。女神を産んだ時にもお手柄だと褒められて……
ですが、あの方は泣いておられました」
グレスは、また俯いて表情を曇らせる。
『ふーん、私の両親ってそういう人達だったんだぁ…顔見てみたいな~。
…でも何で泣いてたの?』
リンは不思議そうに首を傾け、当然の疑問を口にした。
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