ジュエリストの真実2
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前回と同じように、飛行機と電車を乗り継ぎ、路面電車で街の風景を眺めながら通りすぎる。
そして前回と同じように、またリンは感嘆の声を上げる。
『クラピカ!見てみて!』
「ああ。本当だな」
こないだ訪れてからまだ半年も経っていないのに、もう随分昔のように感じる。
またこうして二人で来れるなんて……
リンは繋いだ手を強く握り、改めてクラピカの存在に感謝した。
『あ、あれ食べたい!あれも美味しそう!』
前回は素通りした中心街を歩きながら、リンは目に入る全ての店のものを食べ尽した。
「腹を壊すぞ」
『大丈夫!何だか食欲がすごくて!ん~、すんごい美味しい!!』
見ている方が胸焼けを起こしそうな位、食って食って食いまくるリン。
(…これも妊娠の影響なのだろうか…)
クラピカは心配しながらも、呆れて溜め息を漏らした。
『ねぇクラピカ…』
「何だ?次はどれが食べたい?」
一度ポケットに直した財布を、また取りだしながら尋ねるクラピカ。
『違うよ!…あれ…グレスかなぁ?』
リンは街の一角にある小さな靴屋に目を奪われ、指差して言った。
見ると、そこの靴屋で売り場を整理している男性…確かに覚えがある。
夏なのに長袖を来て、中にいる女性と会話しながら仕事をしている。
『グレスだ…絶対……嘘……』
この町に住んでたんだ
また会えるなんて…
信じられない!!
暫く見つめていると、側で足を止めている客の存在にグレスも気付き、こちらを見た。
そして……
「……!!
デューナ……様……?」
手に持っていた商品のヒールを落とし、グレスはリンに釘付けになった。
『グレス…』
リンもグレスに駆け寄る。
最初出会った時はスリをされかけての事で、ろくでもない生活をしていそうだったし、てっきりグレスは流れ者だと思っていたけど、この町に住んでいたなんて!
二人は手を取り合って再会を確かめ合った。
「デューナ様…!まさか…またお会いできる日が来るなんて……」
グレスは目に涙を溜めてひざまづいた。
『!!!!!
ちょ…っ、何やってんの、こんな町中で!!起きてよ!やめて!』
リンは慌ててグレスの腕を引っ張り、立ち上がらせる。
「あ…すみません…つい……」
『それに私はデューナじゃなくてリン!様とかつけないで普通に呼んで!』
「え、じゃあ…リン…様…」
『"様"禁止!!』
「………う………リン……さん……」
苦しそうに顔を歪めながら、何とか言い切った。
名前を呼ぶだけで大袈裟な。
『まぁ、よし。てゆーか元気だった!?ちゃんと働いてるんだね!!偉いじゃん!!』
「あ、はい!あれからすぐに縁あってこの靴屋にお世話になる事になりまして。
今はこの通り、真面目に生きております!」
数ヵ月前とは見違えるように男らしくなったグレス。
リンは心から嬉しく思った。
「…ところで…あの素敵な男性は…?」
『ああ、クラピカ。私の旦那様だよ!』
「だっっ!!旦那様!?デュ…いえ、リンさん結婚してたんですか!!!???」
グレスは飛んで驚いた。
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